ドキドキ遺跡観光(旅行記12話)

 

翌日の午後、バスでタベンミンチェイに向かう。

町から離れると、のどかな農村風景が窓の外に写った。
数km毎に町や村が点在しており、バスは何度か停車しながら北方面へ向かっていく。

 

コンポントムを出発して約3時間後、大きな町にバスが停車した。

 

「プリア・ウィヘアー!」

運転手が大声で乗客に告げる。

 


この町プリア・ウィヘアっていうのか。
北にある遺跡と同じ名前なんだな。(‐ω‐)

 


乗客が何人か降り、バスが発車。

 

そこから1時間程経過。

 

……おかしいな。タベンミンチェイにはまだ着かないのか?地図を見た感じだと距離的にもう着いてもおかしくないはずなんだが……。
(・ω・`)

 

そんなことを考えているとバスが停車した。
自分の座っている席から見える位置に看板が立てられており、それには英語で「Sro Em」と表記されている。

 

ここはスラアェムって町か…。一体何処なんだ?
(・ω・)

 

持っている本の地図のページを広げる。

 

……ん?この町、遺跡プリア・ウィヘアに一番近い町じゃん。

 

……………………タベンミンチェイとっくに通り過ぎとるがな!
ΣΣ(゚д゚lll)

 

そんな馬鹿な!今回はクラチェの件の時みたいに居眠りなんかして乗り過ごすなんてミスは無かったはずだ!

何故だ!何故知らぬ間にスラアェムに辿り着いてるんだ!?

 

「おーい兄ちゃん、バスから降りなー」

バスの運転手が言う。

 

どうやらここが終点らしい。

 

…………まぁいっか。
タベンミンチェイまでのバス料金でスラアェムまで来れたんだから結果オーライだ。

 

 

 

後日分かったのだが、タベンミンチェイはプリアウィヘア州、州都ということで、そのままプリアウィヘアと呼ばれているらしい。


スラアェムは非常にこじんまりとした町で宿はあまりない。
バイクタクシーに乗って確認した感じだと、4軒だけだ。

何故かどの宿も宿泊客がかなり多かった。
それも外国人旅行者ではなく全てカンボジア人である。

 

…何だ?この町で何かあるのか?
( ´・д・)

 

とりあえず部屋が空いていた宿にチェックインし、眠りについた。

 

 

ワイワイガヤガヤと宿が騒がしい。

 

んー、うるせー。
(*ノД`*)

 

目が覚めてしまった。

時計を見てみる。

 

……まだ午前4時じゃないか。

 

宿泊しているカンボジア人達、超早起きだ。
田舎に住んでいるおじいちゃん並に早起きである。

そんなに早起きしてもラジオ体操はまだ始まらねーぞバカヤロー。

二度寝する。

 

 

 

そして起床。

宿泊客が自分以外人もいなくなっていた。

 

あの団体客は一体何だったんだ?(´-ω-)

 

 

12_1
スラアェムの市場

12_2
市場内にある井戸。毎日大活躍だ。

12_3
賭け事。全財産賭ける人もいるけど負けた場合今後の生活が心配である。

 

 

 

 

プリア・ウィヘアに行ってみることにした。

遺跡の近くの町に来ているのだから行かなきゃ勿体ない。

この遺跡はアンコールワットよりも歴史が古く、北から南へ標高約525~650mと変化する山上の斜面に建立されている。南側は断崖絶壁で、そこからは広大なカンボジアの大地が見渡せる。
ただ、カンボジアとタイ両国による領有問題が昔から続いており、2008、2009年には遺跡周辺で両軍の銃撃戦にまで発展し、双方に負傷者も出た。
遺跡周辺で武装強盗団による強盗事件も起きており、治安上の問題からプリアウィヘア地域の旅行は控えること、
とガイドブックに記載されている。

 

……………ふふふ、おもいっきり滞在してしまっている状況である(泣)

 

しかし、近くに本に載ってる遺跡があったら行きたくなるものだ。
そんなわけで、スラアェムの町からバイクタクシーで遺跡へ向かう。

 

数十分後、町から26km離れた遺跡のある山の麓に到着。そこから約6kmは高さ500mを一気に登る為、かなり急勾配な道のりである。


バイクタクシードライバーは思い切りエンジンを吹かして斜面を上っていく。


うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、重力に負けて尻がバイクからずり落ちそうだ。
こりゃ普通の車じゃ上れないわけだ。
(( ;゚Д゚))

 

 

頂上に到達。

遺跡プリア・ウィヘアに足を運ぶ。

さて、さっそく遺跡からのパノラマを拝むとしよう。
プリア・ウィヘアに来た一番の目的はこれだからな。

断崖絶壁の山上の斜面からカンボジアの大地を見渡す。

 

 

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…………………………………………。

うーん、霞みがかっていてよく分からんな。

来た意味無ぇー。…とりあえず遺跡見とくか。
(・ω・`)

 


その辺をブラブラと散策してみる。

 


散策してみると、この遺跡プリア・ウィヘアには至る所に銃器を装備した兵隊がいることに気がついた。
特に悪い事をしてるわけじゃないのに、パトカーや警察官を見るだけで何故かドキドキしてしまう自分にはこれは刺激が強すぎる。

 

 

あー超ドキドキする。
(; ・`д・´)ゴクリ

 


恋をした時のドキドキとは正反対のドキドキなので心臓に悪い。

 

ん、あそこに階段があるぞ。
(・ω・)!

 


視線の先に階段が見えた。どうやら崖下に行く階段のようだ。

さっそく降りてみる。

 

その瞬間、

「おいっ、そこのお前!そっちに行くな!」

銃器を装備した兵隊が鬼のような形相で俺に向かって怒鳴ってきた。

 


「ピギーッ!撃たないで!僕は悪い観光客じゃないよ!」
(>д<)

 


「何言ってるんだ。とにかくそっちは立入禁止だ。戻れ」

 

「へーい」

 

立入禁止ならロープでも張るか、看板でも立てておいてくれ……。
(´д`lll)

 

 

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シェムリアップ近辺の遺跡と違って、全く修繕工事を行われていないので保存状態は良いとは言えないが、それはそれで味がある。


 

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