パシュパティナートのサイババ集団(旅行記35話)

 

現在、自分が宿泊している部屋はドミトリーである。複数のベッドが並べてある、いわゆる相部屋だ。

そのドミトリーの部屋に、ギリギリまで髪を刈り上げたスキンヘッドに近い頭をしている日本人男性がやって来た。

名前は哲彦さんといった。

刀鍛冶師に憧れを持ち、少し病んでいる感じの雰囲気を醸し出している人である。

哲彦さんは刀の素晴らしさについて滔々と語ってくれたが、生憎、刀の専門用語とか出されては俺にはチンプンカンプンである。

 

死神が使う斬魄刀についてなら語り合えるのだが。


いずれ

「自分の造った刀の斬れ味を試してみたかった。誰でもよかった」

という悪いニュースが流れないことを願っておこう。

 

 

 

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パシュパティナートの近くにある水汲み場。雨季には水没してしまいそうだ。

 

 

 

そんな病んでる哲彦さんと、創太さん、テツさんも加えて、4人でパシュパティナートに行ってみた。

 

パシュパティナートとはネパール最大のヒンドゥー教寺院のことである。

 

川岸では火葬の炎が上がり、風に乗って人の肉を焼く匂いが漂っている。
以前に、インドのバラナシで嗅いだものと全く一緒の匂いだ。

 

近くではお腹を空かせた野良犬たちが、肉が焼け上がるのを今や遅しと待ち構えている(号泣)

 

まだ雨季前なので、川は干上がった状態で水がほとんど流れていない。

 

この状態では火葬を終えた亡骸を川に流すのは容易ではなさそうだ。
餌を求める野良犬たちにとっては絶好の季節である(号泣)

 

 

ガート沿いにある壁に、火葬に使われる薪の値段が書かれていた。
上質な薪はかなりの高値みたいである。

 

こういうところは日本の墓石と同じだな。

 

橋を渡り、寺院が建っている北側から火葬の様子を眺めていると、けたたましい喚き声が聞こえてきた。

 

「うぁああぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ〜!!
うぁああぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ~!!」

 

なんじゃこの喚き声は?
( ´д`)

 

声のする方に目をやると、葬儀の参列者がゾロゾロと歩いている。
亡骸は埋葬布に包まれ、煌びやかな装飾が施されていた。

参列者の先頭で中年の女性が2人、喚き声を上げている。

 

「うぁああぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ~!!
うぁああぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ~!!
うぁああぁぁああぁぁぁはっははあああ~!!」

 

その光景を眺めていると哲彦さんが言った。

「泣き女……という方々でしょうか。台湾や中国にも葬儀の時に遺族の代わりに大げさに泣きじゃくる人がいるじゃないですか」

 

「あぁなるほど。それと同じようなものですかね」

 

うーむ。だがアレは、泣いているというより、ただ声を荒げているだけに見えるが。
(; ・`д・´)

一雫も涙が溢れていないし、全く感情がこもっていないように感じる。

 


しかし、そんなことは言えないよな。ちゃんとした葬儀なわけだし。

 

そう思っていると、創太さんが言葉をこぼした。

 

「うーん、不謹慎かと思うけど言うわ。……めちゃ演技に見える

 


……言っちゃった!言っちゃったよこの人ッ!!
Σ(( ;゚Д゚))

みんな思っていたけど、口には出さなかったけど、遂に言っちゃったよッ!!
Σ(( ;゚Д゚))

 


さすが冷たい血が流れている男、創太さん!

他の人が言いにくいことをサラリと言ってのけるとは!

 


まぁ確かに、創太さんの言う通りだ。

もし黒沢明監督の目の前でこんな大根芝居をすれば相当ご立腹なさるだろう。

 

ただずっと

「うぁああぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ~!!
うぁああぁぁああぁぁぁぁぁぁあああ~!!」

と叫んでいるだけだ。
もはや喚いている女性2人からはルーチンワークをこなしている感じすら見て取れる。

 

ただ泣き喚くだけなら、まだ野々村元議員の方が数段上手である。

 

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亡くなった方の親族なのだろう。

喚いている中年女性2人の後ろでは、本当に悲しみの表情に溢れた女性が亡骸に寄り添いながら静かに歩いていた。

 

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サドゥーの後ろにいるおじさんもしっかりカメラ目線である

 

奥の寺院が建ち並ぶ通りに入ると、数人のサドゥーに遭遇した。

てっきり修行中で瞑想でもしているのかと思いきや、ただ石垣に腰掛けて談笑しているだけだ。

昼寝までしているサドゥーまでいる。

 

とりあえず「ナマステ」と声を掛けてみる。

 

「ナマステ。フォフォフォフォ。お前さん方、何処の国の人かね?」

 

「日本です。……あのー、つかぬ事をお伺いしますが、あなた方はサドゥーですか?」
( ・д・´)

 

「フォフォフォフォフォ。そうじゃ。儂らはサドゥー。高貴な存在じゃ。フォフォフォフォ」

 

「ふーん………」(・ε・)

 

「なんじゃその反応は?もう一度言うぞ。高貴な存在じゃ。フォフォフォフォ」

 

「ふーん………」(・ε・)

 


サドゥーとはあらゆる物質的・世俗的所有を放棄し、肉体に様々な苦行を課すことや、瞑想により最終的な解脱を得ることを人生の目標としている人たちのことである。

 

その為、サドゥーは滅多に出会うことのできない者と思われがちだが、旅行者が訪れる場所には何故かわんさか登場する。

 

以前、インドを旅していた時にもあらゆる場所で遭遇した。


あまりのサドゥーの多さに

「お前ら量産型ザクかよッ!」
Σ(゚д゚)

とツッコミを入れたくなるぐらいだ。

 

そして出会ったサドゥーは皆、口を揃えてこう言う。


「オッス、儂サドゥー。儂に金を寄付してくれ


元気玉作ってる悟空みたいな言い方すんなッ!
Σ(゚д゚)


外国人が訪れる地は、修行とは関係なく単にサドゥーの服を着て観光客に有料で写真を撮らせたり、横柄に喜捨を強要することで生活している観光サドゥー」だらけである(号泣)

 

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あらゆる物質的・世俗的所有を放棄し修行に耽るサドゥー。
しかし腕時計だけは捨てることは出来なかったらしい。

 

 

目の前にいる、サドゥー集団集団に尋ねてみる。

 

「あの〜、それではサドゥーの皆さん、写真を撮ってもよろしいでしょうか?」

 

「フォフォフォフォフォ。構わんよ。ただし、儂らのような高尚な者を撮影するには寄付が必要じゃ

 

「ふーん。いくらですか?」

 

「フォフォフォフォフォ。なーに、大したことない金額じゃ。儂ら1人あたり、100ルピーでどうじゃ?


高ェッ!!Σ(゚д゚)

 

アホかッ!写真撮るだけで100ルピーってぼったくり価格だわッ!

一応サドゥーなのに物欲あり過ぎだろッ!
Σ(´д`)

 

「いやー、それはちょっと高すぎじゃないですか?」

 

「そうかの?ベストプライスじゃと思うがの。フォフォフォフォフォ」

 

サドゥーがベストプライスって言葉を使うなよ。


「うーん、じゃあいいです。さようなら」

 

そう言い、その場を立ち去ろうとすると、サドゥーが待て待てと声を掛けてきた。

「お前さんの好きな金額でいいさ。出血特大サービスじゃ。フォフォフォフォフォ」

 

「はー、そうですか。じゃあ撮らせていただきます」

 

というわけでサドゥーと記念撮影。

撮影した後に小額の寄付を渡す。

その時、昼寝していたサドゥーが寝そべりながらこう言った。

 

「おーい、儂にも金くれよー」


いや、アンタの写真撮ってないしッ!
ってか寝そべりながら「金くれよー」ってありえないだろッ!
(( ;゚Д゚))

 

真面目に修行しているサドゥーに怒られるぞ!!

 

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