2016年1月29日

04. スローボートで古都ルアンパバーンへ

 

鶏の鳴き声で6時前に目が覚めた。
周辺に鶏がたくさん飼育されているため、明け方うるさい。

荷物をまとめて宿のチェックアウトを済ませた。

 

今日はラオスに向かう日である。
チェンコンからはメコン川をボートで渡ってラオスに入国することになるので、国境にあるイミグレーションから出ているボート乗り場へ向かった。行き先はラオス北部にあるルアンナムターという町だ。

 

パスポートを持ってイミグレーションに並んでいると、ハンチング帽子を被っている男性と日焼け対策ばっちりな感じな長袖の服を着ている女性、それに小さな女の子が日本語で会話しているのを耳にした。

 

 

あ、日本人だ。(・ε・)

 

 

向こうの人達もこちらに気付いたようで声をかけてきた。
挨拶をすると、すぐに昨日のステープおじさんの携帯で話したゲストハウスを経営している女性だと分かった。
名前はヒロコさん。気さくな感じの女性だ。小さな女の子はヒロコさんの娘さんである。名前はヨウコちゃん。

 

「ラオスの何処に行かれるんですか?」

 

バスでルアンナムターへ向かう予定だと答えると、隣にいたハンチング帽子を被った男性が口を開いた。

 

「あぁ、そうなんですか。僕はスローボートでルアンパバーンに行くんだよ」

 

ルアンバパーンは町全体が世界遺産に登録されたラオスの古都である。
ラオスで旅行者が多く訪れる町だ。

 

「日本人1人の船旅は少し心細いなー。国境を越えて向こう側のフェイサイでルアンパバーンに向かう日本人と合流出来ればいいんだけど……、いないだろうな」

 

男性が残念そうに言う。

 

「あの、じゃあ一緒にルアンパバーンに行きますか」
(・ω・´)

 

「え、いいの?ルアンナムターに行くんじゃ?」

 

「ルアンパバーンにも行きたいなと思っていましたし構いませんよ」

 

 

ということで、ラオス入国後の行き先はルアンパバーンに決定した。

男性は、自分がかなり軽く旅行ルートを変えたことに驚いていたが、時間はたっぷりあるので全く問題無い。
というより無職の俺には時間以外何も無い(号泣)

 

 

男性の名前は浅利さん。タイ語をかなり話せる人で、ラオスに行くのは10年ぶりとのことだ。

 

タイ語を話せる人と一緒に行動するのは非常に心強い。
冒険序盤に『はがねのつるぎ』を手に入れた主人公の気分である。

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タイを出国して川岸に停めてあるボートに乗り込む。
30秒足らずで対岸に到着。

ラオスのボーダーで出入国カードに必要事項を記入し、それとパスポートを受付に渡す。
10秒と待たずにパスポートに入国スタンプが押された。

 

というか、カードの記入内容全然見てなかったな。
なんて軽いボーダーなんだ。適当に記入しても入国できそうだ。

 

 

ボーダーのすぐ近くにあるチケット売場でルアンパバーン行きのスローボートのチケットを購入し、乗り合いトラックで船着き場へ向かう。

ボートに乗り込み待つこと数十分、大勢の旅行者を乗せたボートはエンジンを吹かしメコン川をゆっくりと下っていった。

 

 

 


旅行者は皆、気分ウキウキである

 

 

 

 

スローボートは一日ではルアンパバーンには着かないので、フェイサイ〜ルアンパバーンを結ぶボートの中継地点のパクベンという町で一泊することになる。

一泊二日の船旅だ。

 

自分と浅利さん以外の旅行者は全員西洋人旅行者で皆テンションが高い。
修学旅行中の馬鹿丸出しの中学生ぐらいテンションが高い。
ビアラオ(ラオスのビール)を飲み始め、床に座りトランプゲームに興じたりしている。

 

ボートでは浅利さんと話をしたり、岸沿いにあるラオスの村を眺めたりしていた。

 

「ラオスって数十年前まで鎖国状態みたいなものだったんだよね」

 

浅利さんが言う。

 

10年前にラオスを訪れたときにルアンバパーンに行きたかったらしいが、当時は山賊がバスや車を襲撃する事件が頻発していたらしく、やむなく断念したらしい。

 

 

途中、水しぶきをあげながら猛スピードで駆け抜けていくスピードボートを目にした。

 

うおぉ、凄いスピード。Σ( ・д・´)

 

スピードボートは6、7人乗りのモーターボートだ。屋根は無いし猛スピードで飛ばすので傘もさせない。レインコートがないと全身びしょ濡れになってしまう。目的地に着く頃には地元の人も放心状態だ。

 

たまに死亡事故も起きている。
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

出川哲朗が乗ったとしても最初のうちはなんとかリアクションをとり続けるだろうが、最終的にはマジヤバい状態になってしまうだろう。

 

 

 

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川の岸に停泊していた趣のある木造の船

 

 

 

時間が経つにつれ、フェイサイを出発する頃にはテンションがMAXだった西洋人たちも静かになっていた。

 

日が暮れる前にパクベンにボートは到着した。

 

パクベンは村に毛が生えた程度の規模の町だ。数年前まで電気が通ってない建物もあったという。

宿は上り坂の途中にあるゲストハウスに決定。

オーナーに浅利さんがタイ語で交渉したこともあり、少し割引してもらった。
ラオ語はタイ語と似ているため、タイ語が話せれば大変便利だ。

夜は浅利さんと一緒に食事をした。

浅利さんにラオスの黒ビール『黒ビアラオ』を教えてもらって飲んでみた。
これが凄く美味い。
浅利さん曰く、世界のビール好きが認める黒ビールらしい。

 

 

 


パクベンの船着場

 

 

 

 

朝、目覚めると大雨が降っていた。
ちゃんとボートが出発できるか少し心配したが、次第に雨は弱まり、川も増水していないので問題なさそうだ。

船着場近くの商店で昼食用のサンドイッチを買い、ボートに乗り込む。
昨日と同じく、ボートはメコン川をゆったりと下っていく。

 

 

 

約7時間半かけて、ボートはルアンパバーンに到着した。

 

 

悲しきかな、旅行者同士にも経済力の格差というものがある。

そんなわけで別々の宿に泊まることになるため、浅利さんとはここでお別れだった。

 

「まぁ、また会うと思うけどね、同じ町にいるんだし」

 

浅利さんはそう言ってトゥクトゥクに乗っていった。

 

 

さて、宿を探さねば。
(・ω・´)

 

バックパックを背負って船着場からテクテク歩き出す。

 

ゲストハウスを何軒か訪ねてみたが、観光地だけあって、ルアンパバーンのゲストハウスは今まで泊まってきた宿に比べて割高である。
訪ねた安宿は全て満室だった。

6軒目に訪ねた宿のトリプルの部屋が空いており、他の旅行者と相部屋という条件ならドミトリーと同じ料金で構わないということで、その宿に落ち着いた。
相部屋ということだが、今はその部屋には自分以外の宿泊者はいないので、実質、トイレ・シャワー付きの広い部屋を貸切状態だ。快適である。

 

 

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民家の軒先にあるカゴ

 

 

翌日、ルアンパバーンの町を散策してみた。

非常に穏やかな空気が流れており、のんびりとした町だ。

近年は観光開発が急速に進み、何も無かった町もだんだん変わりつつあるらしいが、旅行者にとっては居心地のいい場所である。

ルアンパバーンでは、僧侶が托鉢のために早朝に町を練り歩く様子が有名だ。

俺は早起きが苦手なので結局見なかったけど。

 

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