グラディエーター出現(旅行記37話)

 

あ〜、…………それにしてもむっちゃ暑いなダラン。
(;´д`)ゞ

 


少し街をブラブラしただけで、汗だくである。

 

夕方、宿に戻り、シャワーを浴びようとバスルームへ向かった。

 

やっぱ一汗かいた後は、冷たい水を浴びてさっぱりしないとな。

そう思いながらシャワーの蛇口を捻る。

 


チョロロロロロ………、ピチョン、ピチョン。

 

「………………………………」

 

水が出てこん。
Σ(・д・)

 

そのことを宿主に告げると

「あぁ、ここら辺一帯、しばらく断水なのよ。我慢してちょうだい」

とのことだ。

 


断…水…だと………!!
((((゚д゚lll))))

 


「あのー、しばらくっていつまでですか?」

 

「さぁねぇ。どのくらいかしら?」

 

うむ。その反応だと数日以上でもおかしくないな(泣)

 

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その予想通り、2日間断水が続き、体を洗うことは出来なかった。

うだるように暑い日が続いているのに水浴びできないというのは正直苦痛である。

 

一応、ペーパータオルは持っているので、それで顔や身体を拭いたりできるが頭部までは洗えない。

 

シャンプーしてぇよー。禿げるー。頭洗わにゃ禿げるー。
(o´Д`)

 

当たり前だが洗濯もできないので、着た服は洗わず脱いだらそのまま天日干しだ。
強烈な太陽光なので、洗わずとも臭いは取れる。

 

お日様のパワーは凄まじいものである。


しかし超綺麗好きな自分は、頭がベタベタなのはもう限界である。

 

そもそも俺は、暑いところが苦手なんだ。
(;´Д`A “`

 

標高が高い場所へ移動しよう。

 

ダランから北部に向かった先には、標高2000m近くに位置するヒレという町がある。

自分はそこに向かうことにした。

 

 

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街中ではたくさんのリキシャーが客待ちし、ひっきりなしにバスが発着する。

 

 

 

宿をチェックアウトして、バス停に向かい、チケット売り場にいる男性に尋ねてみた。

「おじさん、ヒレ行きのバスって何時出発ですか?」

 

「ヒレ行きかね?いつもならもうすぐ出発なんだが今日はどうだろうね」


どういうこと?(・ε・)


男性に話を聞くと、今日はバンダが行われているということで、バスがいつ出発できるか見通しが立たないということだ。

 

バンダとは、ネパールでしばしば行われるストライキ&デモのことである。

バンダが行われている間は、その地域全ての公共交通機関がストップし、店舗、学校、会社、全てが閉まってしまう。

法外な金額を支払えばタクシーは出してくれないこともないが、そんなことをやる人は滅多にいない。

わざわざバンダが行われている時にタクシーを使うのは、国際線の飛行機に乗り遅れそうな金持ちの外国人ぐらいだろう。


そんなわけで、今はどう足掻いても移動はできない。
時間が過ぎるのを待つしかない。

 

仕方ない。飯でも食べてくるか。
(´・ω・`)

 

バス停の近くの食堂で遅い朝食を摂り、バスが出発するのを待つ。

 

正午はとうに回った。
ヒレ行きのバス車内には、既に大勢のネパール人が乗っているが、一向に出発する気配はない。

 

その様子を、近くの商店の軒先から観察しながら俺は
「こんなに暑いのによくずっとバスの中にいられるもんだな」
と感心した。

 

うーむ、もしかして今日はずっとバスが動かないってことはないよな……。
(・ω・`)

 

そう思っていると、バスにエンジンがかかったので、車内にいた男に尋ねてみた。

 

「バス出発ですか?」

 

「あぁそうだ。早く乗りな」

 

男にそう言われ、俺はバスに飛び乗った。

 

バス車内は大勢の人間で、すし詰め状態である。

 

あ、暑い……!
(´д`lll)

 

本来ならダランからは、ヒレ方面へのバスは日に何本も出ているが、今日はこれが始発である。

なので、上記の方角へ向かう人々がまとめて乗車してくるわけで、車内の人口密度はとんでもなく高いのだ。

 

ぎゅうぎゅう詰めのバス車内はまるで蒸し釜地獄である。

 

 

し、死ぬ………!
(((((( ;゚Д゚)))))

 

 

そしてダランを出発して1時間ほど経った頃、バスが上り坂の途中で停車した。

 

今度はなんじゃー?
(;´д`)


バスの乗客に尋ねてみると、バンダの影響で一旦ここでバスをストップするそうだ。


やれやれ……。運転再開するのを気長に待つとするか。
(´・ω・` )


車内は蒸し暑いので、外に出て待機。
まぁ相変わらず外も暑いのだが、バスの中にいるよりは幾分マシだ。

 


バスが停車して3時間半ほど経過した。

 

「おーい、ジャパニーズボーイ。そろそろ出発するぞー!乗れー!」

バスの運転手が言う。

 

「ほいほーい」

 

再びバスが発車し、坂道を上っていく。


最初のうちは大勢の乗客で、すし詰め状態だったバス車内も、また一人また一人と降りていく。

 

日が沈み、辺りが真っ暗になる頃には少し余裕を持って車内にいることができた。
標高が上がったこともあり、蒸し暑かった車内も、今では少し涼しさを感じるぐらいだ。

 

 

 

ヒレに到着した時、午後9時を回っていた。

標高は1850mなので、ダランとは違い、夜は少し肌寒い。

街灯などはなく、辺り一面暗闇に包まれている。

 

うーむ、暗すぎて何処にどんな建物があるかさえ分からん。

 

暗闇に紛れて盗賊とか襲ってきやしないだろうな。
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

一緒にバスを降りた人が、この道をまっすぐ行けば宿があると親切に教えてくれたので、道なりに歩いてみた。

すると右手に、教えてもらった宿らしき建物が見えた。
壁には「MANU HOTEL」と書かれている。

一階の食堂で、宿の従業員らしき人たちが食事を摂っていた。


「ナマステー。あのー、今晩泊まれますか?」
(・ω・`)

そう尋ねると、宿の主人らしき男が椅子から立ち上がり、俺の方を向かって言った。

 

「おぉ、いらっしゃい。どんな部屋がいいんだい?」

 

その主人らしき男を見て、俺は少したじろいでしまった。

 

彼はむちゃくちゃ筋骨隆々で、とてつもなく威圧感のある人物だったのだ。


「うぉぉおおおおおっ!!どけどけどけぇぇいッ!!」

雄叫びを上げながら、巨大な斧を振り回し、幾千もの敵を薙ぎ払ってそうな風貌である。

俺の片腕ぐらいなら、いとも簡単に握り潰せてしまいそうだ。

 

俺は心の中で、この主人を「グラディエーターのおっちゃん」と呼ぶことにした。


「そ、そうですねー。1番安い部屋でいいんですけど」
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

「1番安い部屋はドミトリーの70ルピーの部屋だが」

 

70ルピー!?(約70円)
Σ( ・д・´)

 

とんでもない安さである。

 

「は、はい、じゃあその部屋に泊まらせていただきます」
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

そう言い、グラディエーターのおっちゃんにドミトリーに案内される。

寝返りを打てば転げ落ちてしまいそうな程の細いベッドが12個、無造作に並べられている部屋だった。

自分以外に宿泊客はいない。

 

「こんな部屋だが大丈夫か?」

 

「全然問題ないっす」

 

荷物をおろしてベッドに横になると、すぐに深い眠りに落ちた。

 

 

 

目が覚めると、まだ部屋は暗かった。

 

あれ……、結構寝たつもりだったけど、まだ夜が明けてないのかな。
(*ノД`*)

 

そう思い、腕時計で時間を確認してみると、もう朝の9時を回っていた。

 

あれ?おかしいな……。
(・ε・)

 

そう思い部屋の電気をつけて周りを見渡すと、あぁ成る程と納得した。

 

昨日は疲れてて、すぐに寝てしまったので気付かなかったが、この部屋は窓が無いのだ。

なので、一切日の光が入らないため、部屋が暗いわけである。

うーむ、湿気の多い雨季になったらカビが生えたりしないのだろうか?

 

IMG_1451
ヒレのマスコットキャラクター。血圧はかなり高めだと思う。

 

 

ヒレはネパール東部のトレッキングの起点にもなる、せわしないバザールの町だ。
屋根沿いに伸びているメイン通りは、歩いて15分足らずで尽きてしまうぐらい短い。

 

この町では外国人は珍しいのか、人々は俺をまるで希少動物を眺めるかのような眼差しを向けている。

 

町の人に声を掛けられて話をしていると、いつの間にかぞろぞろと周りに人が集まり色々と質問された。

 

 

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質問に答えた後に、複数の青年たちと一緒に丘に向かってみた。

丘に向かう道の途中には、広大なアーミーキャンプがある。

そこを通り過ぎてしばらく歩くと、草地の丘にたどり着く。

天気が快晴の時は、そこからヒマラヤのパノラマが目の前に開けるらしいが、残念ながら今日は曇り。
もう雨季に差し掛かっていることもあり、正午を回ると空は雲に覆われる。

 

まぁ今更ヒマラヤを見たところで何も感動しないだろうけど。おそらく今現在も、俺は絶賛絶景麻痺中である。

 

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丘に向かう途中

 

 

宿に戻ると、しっかりと髪型をセットした青年が声を掛けてきた。

彼はあまり英語が喋れなかったので、言っていることは想像だ。

 

「やっほぅ。君がここに泊まっている日本人か!俺の名前はジャックス。よろしく!」

 

「俺は大悟。よろしく」

 

「大悟、この町はどうだ!?」

 

「涼しくてのんびりできて気に入ったよ」

 

「なるほどっ!君の言っていることはさっぱり分からないぜ!」
(≧∇≦)b

 

どうやらかなりのお調子者のようだ。

 

IMG_1416
お調子者ジャックス

 

 

ジャックスはグラディエーターのおっちゃん(以下「グラオ」)と一緒に土建屋のような仕事をしているとのことだ。

 

宿の軒先にある椅子に腰掛け、身振り手振りを交えてジャックスと話をしていると、グラオが軽トラックに乗って宿の前にやって来た。

するとジャックスが軽トラックに乗ろうと言った。

 

「ん、どうして?」

 

「いいからいいから!」

 

英語の話せるグラオに聞くと、今から仕事で近くの町まで行くからついでに君も行ってみないかと説明してくれた。

 

面白そうだし行ってみるか。
(・ω・)

 

というわけで、軽トラックに乗り込む。

 

IMG_1431

 

「ヒレにはどのくらい滞在するつもりだい?」

運転をしながらグラオが訊いてきた。

 

「うーん。1週間ぐらいはいる予定です」

 

「その後はどうするんだい?日本に帰るのか?」

 

「いえ、カトマンズに戻って、その後はインドに行く予定です」

 

「おぉー、インドに行くのか」

 

「そういえばヒレって外国人ってあまり来ないんですか?」

 

「今はオフシーズンだからな。まぁオンシーズンもあまり来ないが。トレッキングに行く外国人グループぐらいだよ、ヒレに来るのは」

 

「はぁ。そうなんですか」

 

「それにウチの宿には外国人なんか滅多に来ないぞ」

 

「そうなんですか?」

 

「もう少し良い部屋に泊まるだろ外国人は。ウチのドミトリーに泊まる日本人なんて初めてだぞ」

 

「安いし過ごしやすいですよ。それと食堂のダルバートが美味い」

 

英語がさっぱりのジャックスは

「どんな会話してるんだー?ネパール語に訳してくれー」

みたいなことを言っている。


そんな話をしながら軽トラックは隣町に到着した。

 

グラオとジャックスはガソリンと思われるものをドラム缶に移し替え、それらをトラックの荷台に積み上げる。

なるほど。グラオの筋骨隆々の肉体はこの仕事で培われたものなのか。

 

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学校帰りの女の子たち

 

 

全ての荷物を積み上げると別の場所に移動し、そこに荷物をおろしてヒレに戻った。

グラオは宿の前で軽トラックから降り、ジャックスが運転を代わる。

 

「すぐ下の町まで行くから大悟も乗ってろよ」

 

そう言ってジャックスが軽トラックを発進させる。

グラオの運転に比べて、かなり荒い運転だ。

 

「ひゃっほー!どうだ!俺の運転は!?かなりイカすだろ!!」

 

ジャックスの運転は、いつか人を轢き殺してしまうんじゃないかと思わせるぐらいのハラハラさせる運転である。

狭い蛇道も猛スピードでぐんぐん駆け抜けていく。

 

「超デンジャラスだッ!ジャックス!スピードを落とせェ!」
(||゚Д゚)ヒィィィ!

 

「デンジャラスだって!?そんなわけないさッ!ベリーグッドドライビングだぜェッ!イヤッフーッ!」
(≧∇≦)

 

ジャックスは調子に乗って、更にアクセルを踏み込みスピードを上げる。

 

うぉおおいっ!高速道路を走ってるんじゃないんだぞッ!車道から外れて畑に転落でもしたらどうすんだッ!
ΣΣ(゚д゚lll)

 

現実はマリオカートみたいにいかないんだぞッ!!
ジュゲムが釣竿ですんなり引き上げてくれないんだぞッ!
(||゚Д゚)ヒィィィ!

 

mariokart-jugem

 

 

「ひゃっほぅッ!やっぱり運転は燃えるぜェェェェェッ!!」
(≧∇≦)

 

………こいつとんでもないスピード狂だ。

 

頼むから俺が乗っている時に人身事故だけは起こすなよッ!
ガク((( ;゚Д゚)))ブル

 

 

そして夜、人身事故を起こすことなく無事、宿に帰還できた。

どんな絶叫マシンも鼻クソレベルに感じるぐらいジャックスの運転は恐ろしかったわ………。
(~д~|||)


 

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