2016年2月1日

01. カトマンズ散策



 

飛行機はネパールの首都カトマンズに到着。

辺り一面、暗闇に包まれている。

 

く、暗い……。
(´д`)

 

ここまで暗い空港は深夜のインド、デリーの空港に到着した時以来である。

飛行機を出ると、冷たい外気が肌に触れる。

 

「おぉ、寒いなー」
ブルブル(((*‐ω‐*)))

 

しばらく寒さとは無縁の世界にいたので、寒いということにちょっぴり驚いてしまった。

 

メグミさんと一緒にイミグレに向かっていると、前方に地球の歩き方を持っている男性を見かけた。

 

あ、日本人だ。(・ω・)

 

向こうもこちらに気付き、声を掛けてきた。

「こんにちはー。あの、もし良ければタクシーシェアかなんかして一緒に街に行くのいいですか?」

 

「全然いいですよ、一緒に行きましょう」

 

男性の名前は大輔さん。
鼻掛かった低音ボイスが魅力な人である。

 

「宿は決めてるんですか?」

 

「あ、バンコク出る前にネットで宿予約したよ、迎えが来てると思うけど」

 

「おぉ、さすがですね」

 

メグミさんがタイを出国する前に、カトマンズのゲストハウスにネットで予約を入れていたらしく空港にタクシーの迎えが来ていた。
俺と大輔さんはそれに便乗し、3人共同じゲストハウスにチェックインした。

 

部屋に荷物を置いた後、俺と大輔さんは外に飲み物を買いに出かける。

 

うはー、排気ガスが凄まじい。
Σ(´Д`)

 

カトマンズの大気汚染は深刻だと聞いていたが、これは予想以上だ。
マスク無しで町を歩くと、すぐに喉が痛くなりそうである。

 

 

商店で飲料水を購入し宿に戻っていると、ネパール人の男性が声を掛けてきた。

ヘイ!そこの兄さん達!

 

「何じゃい?」(・ε・)?

 

「何処に行くんだい?」

 

「宿に帰るとこ」

 

「宿に帰る前にいい所に行かないかい?可愛い子たくさんいるよ」

 

「いや、別にいい」

 

「2000ルピー!2000ルピー!」

 

「いや、別にいい」

 

「ネパールにも売春とかあるもんなんだね」

大輔さんが言う。

 

「やっぱ何処の国にもあるもんなんですね」

 

「お兄さん達、たったの2000ルピーだよ、2000ルピー!」

 

「だから行かないって……」(`‐ω‐´)

 

「1200ルピーでどうだ!?」

 

いきなりずいぶん値下がりしたなオイ。

 

「値段下げても行かない」

 

「じゃあいくらなら行くんだ?そうだ!ハシシやチョコもあるぞ!

 

しつこいなこの客引き。

 

「もう無視して宿に戻ろうか」

 

「そうですね、そうしましょう」

 

歩くこと5分、まだ客引きは付いてきている。

 

「ヘイ、お兄さん達の好きな値段でいいからさ!いくらなら行くんだ!?ハシシやチョコもあるぞ!

 

「……めっちゃしつこいですね、この客引き」

 

「んー、凄いねこの根性」

 

泊まっている宿を知られるのは面倒なので、宿の前を通り過ぎて、そのまま適当に道を歩いていく。

 

「ヘイ、兄さん達!カモン!ハシシやチョコもあるぞ!

 

「……………………………………」

 

ハシシやチョコもあるぞ!

 

「……………………………………」

 

おじさん、ハシシやチョコもあるぞ!」決め台詞みたいになってるな。

 

2人とも、完璧に無視を決め込んだ。

 

その後、客引きも観念したのか何処かへと姿を消した。

「水商売の客引きであそこまでしつこかった奴は初めてだよ」
(´д`)

苦笑しながら大輔さんが言う。

 

「俺もですよ」

 

「でも、ネパールの風俗ってどんな感じなのかは気にはなるよね、日本に帰る前に覗いてみようかな」

 

「マジですかー?」

 

大輔さんと会話しながら宿に戻っている途中で物乞いやシンナーを吸って目が虚ろになっている少年も見かけた。

カトマンズは近年、凄まじい勢いで発展しているらしいが物価も急激に上昇し職にあぶれる人も少なくないようだ。

発展の側には陰りあり、か。

 

 

18_1
カトマンズ盆地

 

 

 

朝、洗濯物を干しに屋上に出てみた。

 

空が排気ガスで灰色に霞んでいる。

 

大気汚染ヤバイな。
(´Д`)

 

洗濯物がガス臭くなったりしないか心配である。

そう思いながら洗濯物を干していると、宿で働いているネパール人の青年が話しかけてきた。

「オハヨーゴザィマス」

 

「あぁども、おはようございます。日本語話せるんですか?」

 

「少しダケデス」

 

「充分上手いですよ」

 

「ハハハ、アリガトデス」

 

彼の名前はディペンダラ。2年以上前に故郷を離れ、ずっとここで働いているとのことだ。

 

「ディペンでいいデス。アナタの名前はナンデスカ?」

 

「大悟です」

 

「ダイゴさん、ヨロシクお願いシマス」

 

「こちらこそ」

 

「ダイゴさん、アナタノ顔ネパールの人みたいネ」

 

「ほんと?」

 

んー、ラオスではラオス人に君はラオス人に似てると言われ、カンボジアではカンボジア人に君はカンボジア人に似てると言われ、そして今、ネパール人に君はネパール人に似てると言われている。

 

……生まれる国を間違えたかもしれん(泣)

 


洗濯物を干した後、大輔さんと一緒に旅行会社に行ってみた。

トレッキングについての話を聞く為である。

トレッキングする気は、ネパールに来る前までは全く無かったのだが、いざネパールに来てみると、やはりトレッキングに行ったほうがいいような気がしてきたのだ。

大輔さんから借りたネパール版地球の歩き方のタイトルも「ネパールとヒマラヤトレッキング」と、ネパール行くんならトレッキング前提になっているような感じだし。
そういえば、カンボジア版地球の歩き方のタイトルも「アンコールワットとカンボジア」と、遺跡がセットになってたな。

ちなみに、大輔さんは初めからトレッキング目的でネパールに来ている。

 

旅行会社で色々なトレッキングルートの話を聞き、大輔さんと検討した結果、ランタンという村を経由し、キャンジン・リという山に登るコースに決定した。

最短で7日で行くこともできるらしいが、途中でコースを変えたり、ゆっくり時間をかけて行くこともあるかもしれないので、余裕をもって10日間のトレッキングに決定。

 

明後日の早朝から大輔さんと一緒にトレッキングに行くことにした。

 

 

旅行会社を後にし、大輔さんとカトマンズの町をブラブラしてみる。

今、自分たちが歩いている場所はタメル地区と呼ばている場所だ。
ゲストハウスやレストラン、旅行会社などがたくさん建ち並び、カトマンズを訪れた旅行者は大抵ここに宿をとる。

まぁ、ネパールのカオサンロードみたいな所だ。

 

「ネパールって何も無いんだろうなーって来るまでは思ってたんだけど、結構いろいろあるもんだなー」

歩きながら大輔さんが言う。

「でもなんかタイのカオサンとは違う雰囲気で面白いなー。んで大悟君、俺達は一体何処に向かってんの?」

 

「さぁー、何も考えず歩いていたんで……。このまま歩いているとダルバール広場がある旧市街の方に行くことになりますね。行ってみますか?」

 

「じゃあ行ってみようか」

 

とりあえず、旧市街へ向かって歩いてみる。

 

旧市街に近付いていくと近代的な建物が減り、かつてネワール族が築き上げたレンガ造りの建物が増えてゆく。

 

18_4

18_5

18_6
カトマンズ盆地近郊。レンガフィチには堪らない場所だ。

 

 

 

大輔さんとだらだら話しながら歩いていると、前方から茶髪の女性が向かってきてるのが見えた。

 

あ、メグミさんだ。
(・ω・)!

 

「あ、何してるのー?」

 

「ぶらぶら散歩です。メグミさんは?」

 

「あたしも散歩。一緒に付いて行ってもいい?」

 

「いいですよー」

 

3人で話をしながらダルバール広場の方に向かう。

メグミさんはさっき、インドビザセンターにインドビザを取得しに行っていたそうだ。

自分と大輔さんは明後日からトレッキングに行くのだが、メグミさんはどうするか尋ねると、まだネパールで何をするかは未定らしい。

 

「空港で取ったのは15日ビザだしねー。トレッキング行くなら15日じゃ足りないかも。どうしようかなー。でも2人共トレッキング行っちゃうんだ、あたしも行こうかなー。あ、でも行くんならビザ延長しないといけないんだよね。うーん考えとこ」

 

「あ、ダルバール広場着きましたね」(・ε・)

 

メグミさんがそうこう言っているうちに、ダルバール広場に辿り着いた。

ダルバールというのは、ネパール語で「宮廷」を意味する言葉であり、その言葉通り見事な装飾が施された宮殿や寺院が建ち並んでいる。
広場手前には受付があり、そこで外国人は入場料を支払い、チケットを貰わなければ入ることが出来ないらしい。

 

「お金いるんですねー」

 

「いくらかな?」

 

「訊いてみよ」

 

メグミさんが受付に値段を尋ねる。

 

「500ルピーだって。結構するね」

 

「500ルピーかぁ。高いですね」

 

入場料を払って広場に行くか否か3人で話していると、ネパール人のおじさん2人組が話しかけてきた。

 

「ハロー、君達は何人だい?」

 

「日本人です」

 

「はっはっは、ネパールにようこそ!」(‐^▽^‐)

 

「どうもお邪魔しています」

 

「ネパールはどうだい?」

 

「最高ですね、昨日来たばかりですけど」

 

そんな会話をフレンドリーなネパール人のおじさん達と交わす。

せっかくなので簡単なネパール語を教えてもらったりした。

 

「君達、広場に行きたいのか?それならあそこの路地を左に曲がれば、タダで入れるよ」

チケットを買わずに広場に入る方法も教えてくれた。

 

「そうなんですか!ダンニャバード(ありがとう)おじさん!」

 

「はっはっは、礼には及ばないさ。私はレディーには優しい男だからな。お嬢さん、気をつけてな!」
σ(o・∀・o)

 

「ありがと、おじさん」

 

……メグミさんがいたから色々教えてくれたのか、あのおじさん達。

やっぱ、女性と一緒に行動してると色々と得するな。

 

おじさん達に手を振りながら、教えてもらった路地に入る。

その路地を抜けて、ダルバール広場に侵入。

 

 

IMG_4987
綿あめ売りの少年

 

 

 

高い基壇の上に建てられた寺院の縁側に腰をおろし、そこから広場を見渡しながら、3人で話をする。

メグミさんのオーストラリアでの生活の話や、メグミさんの旅していた時の話や、大輔さんの昔やっていた海外でのビデオ撮影の仕事の話や、メグミさんの将来家庭を持ったらこうしたいという話とか、まぁほとんどメグミさんの話だったが、自分が興味を持ったのは大輔さんの話だった。

 

日本で某有名大学を卒業した後、海外でビデオカメラマンの助手として仕事をしていたということだ。
映像をまとめた本も出版され、図書館にも置いてあるらしい。

 

なるほど、出会った時から言葉の使い方が知的な感じがするなーと感じていたのはそういうことだったのかと一人頷く。

 

あいにく、自分の文章力ではこの旅日記の登場人物に知的な雰囲気を醸し出させることは不可能である。

 

「俺自身はカメラマンの助手ってだけで、全然凄くないんだけどね」

 

「でも仕事で外国行けるっていいなー」

羨ましい、そうメグミさんが口にする。

 

「そーでもないよ。仕事だと旅行と違って自由じゃないから。あと先生、カメラマンの人ね。その人とちょっと合わなかった。合わない人とずっと外国で2人きりというのは結構きつかったね」

 

「それに結局仕事辞めちゃって今はただの派遣社員だしね」
と、静かに微笑みながら大輔さんは言った。

 

 

18_3
広場は近隣に住む人々の憩いの場でもある

 

 

 

翌日、トレッキングに使うサングラスを買いに出かけた。

標高が高い所は紫外線が強いからな。目をガードしなければ。(■-■)

 

サングラスは日本から持参していたが、日本を出て2週間後に早くも壊れてしまった。
ラオスの子供が自分の目の前で見事に真っ二つにしてしまったのである。(T^T)

まぁ、その子には人の物を壊した罰として泣き喚くまでカンチョーをする刑に処してやったさ。

 

 

大輔さんと一緒にサングラスを扱っている店を何軒か回ってみるが、どの店もしっくりくるものが見つからない。
トレッキング専門店にも行ってみたが、そこで販売してあるサングラスはやはり値が張る。

 

市場にいってみるか。なんか掘り出し物が見つかるかもしれないし。

 

昨日行ったダルバール広場の近くにある市場に足を運ぶと、すぐにサングラスを販売している売店を見つけた。

 

売店のおばちゃんに声を掛ける。

 

「すいません、サングラス欲しいんですが」
(・ω・)

 

「どうぞ、好きなの選んでね」

 

そう言われ、サングラスを手に取り、見てみるが気に入ったものが全く無い。
別の意味で気になるサングラスならあったが。

それはテンプル部分に、こう彫られていた。

 

「GUCCI」

 

なんとあの有名ブランドのサングラスがこんな所で販売されている。
まさかここでブランド物のサングラスにお目にかかるとは思いもしなかった。

しかしこれは、よく見なくてもやたらちゃちな造りであることが分かる。
軽く力を入れただけでフレームがポキンと逝ってしまいそうだ。

日本の100円ショップで売ってるサングラスの方が高品質だと思うのは気のせいだろうか。

 

もしかしたら、これはただのちゃちな造りのサングラスにGUCCIと彫っているだけであって、全くあのブランド名とは関係ないのかもしれない。念の為確認しておこう。

 

「……おばちゃん、これGUCCIですか?」(・ω・)?

 

「そうよ、それはGUCCIのサングラスよ」

 

「あの有名ブランドのGUCCIですか?」(・ω・)?

 

「そうよ、有名ブランドのGUCCIよ」

 

ふむ、やはりこれはGUCCIらしい。

 

「本物ですか?」(・ω・)?

 

「そうよ、正真正銘それはGUCCIのサングラスよ」

 

おー、やはりこれは本物のようだ。

 

俺はブランド物には全く詳しくないので本物かどうかはよく分からないが、善良なるネパール人のおばちゃんが言っているのだから間違いないだろう。

9割9分の確立で偽物だと踏んでいたが、間違いだったようだ。

 

 

値段はいくらするのか。やはりブランド物は値が張るのだろうか。

 

「いくらですか?」
(・ω・)?

 

「GUCCIだから少し高いけどお兄さんには特別に250ルピー(約250円)で売ってあげるよ」

 

「にっ、250ルピーだって!?安いですね!」
Σ(・ω・*ノ)

 

「他にもまだGUCCIのサングラスはたくさん置いてあるよ。好きなだけ買っていってよ」

 

「はーっ、すごい店ですね!」
ΣΣ(`・ω・´)

 

なんて素晴らしい店だろうか。ブランド物に拘る日本のセレブな奥様方も、ネパールに来る機会があれば、是非この店を訪れてみてほしい。


250円でブランド物が手に入るとは大阪の主婦のおばちゃま方もびっくりであろう。安すぎるで~!お買い得やで~!と連呼するに違いない。

まさに衝撃プライスである。

 


「さぁ、どのサングラスが気に入ったの?」

 

「うーん、そうですねー。こんな衝撃プライスでGUCCIを買えるのはお得だと思うんですけど、気に入ったデザインのサングラスが無いんですよ」

 

「あなたならどんなサングラスでも似合うと思うよ」

 

「そうですか?なかなかジョークが上手ですね。でもこれらのサングラスの造りが良くないのが気になるんですよ」

 

「大丈夫、それでもあなたならどんなサングラスでも似合うと思うよ」

 

「そうですか?なかなかジョークが上手ですね」

 

そんな会話をしていると、横にいた大輔さんがポツリと言い放った。

 


このGUCCI偽物だよね。GUCCIじゃないよね

 


なっ、何ィ!?
Σ(; ・`д・´)

 


薄々…というより、ほぼ感づいていたが、やはり偽物だったのか!
さすがクールでエロ賢い男、大輔さん!
販売者の目の前で臆することなく「偽物だよね」発言するとは!

 

 

「おばちゃん、やっぱりこのサングラスGUCCIじゃないよね」

 

……そうよ、偽物よ。よく分かったね

 

あっさり認めるんかい!
Σ(・д・)

 

「でも……、偽物だとしてもハイクオリティーよ!

 

開き直るおばちゃん。

それに全くハイクオリティーではない。

結局そこではサングラスを購入することはなく、別のサングラス店で購入することになった。

 

 

IMG_8548
ホセ・メンドーサとの激闘後のような商店の人形

 

 

 

そして夜、メグミさんも混ざって食堂で夕食。

その後、部屋に戻りトレッキングの荷造りをする。
トレッキングに必要な荷物はバックパックに詰めて、それ以外の物は宿に預けておくことが可能なのだ。

 

「んー、三脚いるかなー?」

大輔さんが言う。

 

「三脚使いますかねー?」

 

「星空綺麗だったら撮りたいじゃん」

 

「標高が高いところは晴れてたら綺麗でしょうね。化粧水いるかな?」

 

「化粧水使ってんの?」

 

「男の肌にも化粧水!ですよ。大輔さん使わないんですか?」

 

「化粧水なんか使ったこともないよ」

 

「若いうちからやっておいた方がいいですよ」

 

「化粧水持ち歩いてる男のバックパッカー初めて見たわ」

 

「化粧水、乳液、日焼け止めは日差しの強い外国では必須です。肌のメンテは超重要!」
(`・ω・´)キリッ

 

「もう立派に日焼けしてる大悟君が言っても説得力無いな

 

「……返す言葉が無いです。爪切りいるかなー?」

 

「行く前に切ればいい話だよ」

 

そんなやり取りを交わしていると、コンコンとドアがノックされる音がした。

 

「はーい、どうぞー」

 

そう言うと、メグミさんがお邪魔するよーとパソコンを持って部屋に入ってきた。

 

「荷造り済んだのー?」

 

「あらかた済ませました」

 

「今日でお別れだね」

 

「そうですね、でもまたここに戻ってくるんで会うかもしれないですよ」

 

さっき一緒に食事した時に話をしたが、メグミさんも明後日からトレッキングに行くことに決めたそうだ。

 

メグミさんが行くトレッキングは自分達とは違うコースである。
エベレストコース。その名の通り、世界一の高さを誇る山、エベレストを正面から仰げる山に登っていくコースだ。
標高5000mを超える所まで行くため、最も高山病にかかる人が多いトレッキングコースだと聞いている。

 

「大丈夫かなー。アタシ登れるかなー、凄く心配。前ね、南米を旅してた時もトレッキングしたんだけど、標高が高いところに行った時、凄く息が苦しくなったの。もうホントに呼吸しづらくて死ぬかと思った。糖分摂ったらいいって聞いてて、その時は水筒に砂糖入ったコーヒー入れてたから、それ飲もうと思って手に取ったんだけど手がブルブル震えてほとんど溢しちゃった。今回もやばいかも。でもアタシ、ミーハーなんだよね。その国に行ったら有名所に行っちゃうんだ。ネパールといえばエベレストだもんね。やっぱ行きたいよね、でも極寒だろうね。大丈夫かなー」

 

「大丈夫ですよ、メグミさんなら」
(適当に答えた)

 

「あ、facebookアドレス教えて。友達申請したい」

 

「facebookかー、一応登録はしてますけど。全然見ないな」
(というかノートパソコンやスマホを持ってないのでネットできない)

 

「俺も同じく全然更新しないな」

 

「そーなの?アタシはもうWi-Fiあるところならすぐパソコン開いてやっちゃうよ。もう依存症だね、facebook依存症。そういえばね、アタシの彼氏まだイエメンにいるの。信じらんない。facebook更新してたけど、英語で「時が止まった」って言ってたよ。もう訳分かんないよね。1ヶ月もずっと同じ場所だって。彼氏、写真撮るのが好きなんだけどアジアに来る前に一緒に旅してる時、一緒に行動してると集中して写真撮れないって言われて頭きたわー。そういうもんなの?写真撮る人って?」

 

「まぁ気持ちは分かるけどね。人それぞれじゃない?」
(´-ω-)

 

大輔さんはそう言いながら布団を被り、寝る態勢に入っている。

 

「そういえばねー、アタシそんなに早く結婚したいとは思ってなかったんだけど、この前友達の赤ちゃん見たのね。そしたらもう産みたい~って凄く思ったんだよね。もう母性本能くすぐられたよ。もうその時は早く結婚したい〜って思っちゃった。やっぱ30前後で結婚はしたいな〜」

 

こんな調子でほとんどメグミさんが喋ること3時間経過。

 

 

……寝かしてくれ。明日は早いんだ。
(ノД`)

 

今回の旅で、ここまでのマシンガントークする人は初めてである。
彼女にはしゃべくりお姉さんという称号を与えてあげたい。


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