ネパール東部にある町、ダランに行くことにした。 キルティプルで出会ったケビシバもホームステイさせてくれると言っていたことだし、どんな町か少し興味がある。
もうずっとカトマンズにいてもいいのだが、そうすれば更に完璧な怠慢生活を送るダメ人間になってしまいそうなので、少しは移動しないとな。
ほら俺……、一応旅行者ですから……。
カトマンズを出発する前日にバスターミナルに向かい、チケット売場でダラン行きのバスチケットを購入。
翌日、使わなそうな荷物は宿に預けて出発。
「じゃ、ディペン、ラジ、行ってくるよー」
スタッフのディペンとラジに挨拶をする。
「大悟サン、オ土産ヨロシクオ願イシマス」 笑いながらディペンが言う。
「はいはい、珍しいものあったら買ってくるよ」
ネパールビザの延長を申請しに行く創太さん、テツさんと一緒に宿を出た。 ちなみに哲彦さんは、ネパールの何処かに行ったようだ。(聞いたけど忘れた)
「プラノ・バスパーク行きだ」 運転手はこう答えた。
あのバスパークの名前なんだったかなぁ。(・・;)?
そう考え、ミニバスに乗車する。
このミニバス、明らかに俺が向かう予定のバスターミナルとは反対方向に向かっているのである。
カトマンズには主要バスターミナルは2つあり、ひとつが「プラノ・バスパーク」。
もうひとつが「ナヤ・バスパーク」。
俺が乗車する予定のダラン行きのバスは上記の通り、ナヤ・バスパークから発車する。 だが自分はこの時、バスパークの名前までは把握していなかったのだ。
しっ、しまったァァァァァァァァァァッ!! 俺が乗るバスが出るバスターミナルの名前はナヤ・バスパークだったァァァァァァァァッ!!
そもそもバスパークの名前が「ナヤ・バスパーク」と「プラノ・バスパーク」じゃ、外国人にはどっちがどっちのバスパークか分からないんだよッ!!(泣)
でもこのミニバス、もしかしたらプラノ・バスパークに行った後に、ナヤ・バスパークに向かってくれるかもしれない。
「はーい、終点だよ」
という言葉に見事に打ち砕かれた。
近くに停車しているバスの運転手に尋ねる。 「このバスはナヤ・バスパーク行きですか?」(・ω・´)
「あぁ。そうだよ」
「発車時間は?」
「んー、そろそろかな」
よし。このバスに乗ろう。
「創太さん、テツさん、俺このバスに乗ります!」
「ほーい。じゃあバスが出発するの見届けるよ」
そして5分経過。
「…………………………」
「ぷはー」(´Д`) =3
「…………………………」
「ぷはー」(´Д`) =3
「…………………………」
「ぷはー」(´Д`) =3
「…………………………」
バスの運転手は創太さんから貰ったタバコをプカプカと吹かしている。
「おじさーん、まだ出発しないの?」
「ぷはー。バス車内に客がいっぱいにならないと出発はしないぞ。ぷはー」
このネパール独特のゆったりとした雰囲気が今回は仇となるかもしれん。
俺は決意した。
そんな俺を見た創太さんとテツさんが尋ねてきた。
「ん、どしたん?」(・ω・)?
「走ってバスターミナルに行きます!」
「はッ!?マジでッ!?」
こいつ正気か!?
そんな表情で俺を見つめる創太さんとテツさん。
「マジですッ!それではまた会う日まで!」
そう言って俺はナヤ・バスパークの方角に向かって駆け出した。
「元気でなー!」
「気をつけてー!」
「頑張れー!」
「走れー!」
「バスに間に合わなかったら戻ってこいよー!」
「別に間に合わなくてもいいんだぞー!」
後方から、そんな創太さんとテツさんの声が聞こえる。 俺は振り返ることもせず、一心不乱にカトマンズの街を駆けていった。
感動のお別れとは程遠い、なんともドタバタしたお別れである。
そして、ダラン行きのバスの発車時間を数分過ぎた頃にバスターミナルに到着。
「ダラン行きのバスはどれですか!?」
「あれ」
「ダンニャバードッ(ありがとう)!!」
全身汗だく俺汁ブシャーッ!の状態でバスに乗り込んだ。
ゼェッゼェッゼェッゼェッ…………!! ま……、間に合った………!!(´д`lll) あぁ、疲れた……。(;´д`) 安堵しながら席に座る。
そして結局、発車時間より40分以上遅れてバスは出発した。
……まぁそもそも、いつも通りに最初から歩いてバスターミナルに向かえば問題なかったんだが。
バスがカトマンズを出発して約15時間後、ダランに到着した。
………………暑ぃ
暑ぃ……!暑ぃ……! 暑すぎるぞダラン!
カンボジアで最も暑かった時よりも暑い……!!
うーむ、40℃近くあるんじゃないかコレ? まぁ標高300mだから当たり前か。 今の時季(5月中旬)のインド北部の気候とほとんど変わらない。
日陰で少し休憩をして、宿を探す。 何軒か宿を当たってみたが、どの宿もカトマンズにある安宿よりは1泊の値段は張る。
町の中心部から少し離れた所にある宿にチェックインした。 1階が食堂になっており、2階が宿というネパールの伝統的なスタイルの宿だ。
部屋で少し横になっていると、食堂で働いている青年がふらっと部屋に入ってきた。
「やぁ」
青年はにこやかにそう言いながら、俺の向かいにあるベッドに腰掛ける。
青年よ……、部屋に入るのは構わないのだがノックぐらいしてくれないか。
もし俺が思春期の男子だったら
話をすると、この宿に外国人が泊まるのは初めてとのことだ。
部屋の中でじっとしていても、汗がじんわりと出てくる。
「ダランは暑いさ。今は暑い季節だからね。でもダランの南にあるビラトナガルって町はもっと暑いさ」
「もっと暑いの?絶対そこには行きたくないな……」
色々話した後に「日本もこのくらい暑いのか?」とスーザンが尋ねてきた。
「いや、日本は暑い季節になってもここまでは暑くないよ」
「そりゃいいね。まぁのんびりしていってよ」
そう言って、スーザンは部屋を出て行った。
…………そこまで外国人が珍しいか。
プライバシーもへったくれもない。
全くのんびりできないな。
翌日、電話を掛けるためにSTDの表示が出ている店に足を運んだ。 キルティプルで会ったケビシバに連絡せねば。
渡されたメモに書かれている携帯番号に電話を掛けてみるが、繋がらない。
ケビシバ出ないなー。夕方掛け直すか。
夕方にも、そのまた翌日にも電話をかけてみたが、ケビシバに繋がることはなかった。
うぉーい、ケビシバー。電話出てくれよー。
うーむ、ホームステイが楽しみだったのに残念だ。
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