2016年1月31日

11. 国境越えてカンボジア


宿のチェックアウトを済ませて、ボートでメコン川ほとりの村、バンナカサンまで向かう。
自分の他にも、ここからカンボジアに向かう旅行者は結構いた。

 

バンナカサンに到着後、バス乗り場に案内された。
そこでカンボジア出入国カードとビザの申請用紙が配布される。
自分以外の旅行者も事前にビザを取得している人は少ないようだ。

 

バスの運転手と乗務員が、カンボジア入国について説明を始める。

 

ビザの発給料金が20$、ラオス出国、カンボジア入国の時、係官に渡す賄賂(?)が5$、早急にビザ発給してくれるように渡す賄賂(?)が5$の合計30$。ビザ申請用の顔写真を持っていない人はもう少し必要。出入国カードとビザ申請用紙の記入を済ませたら、パスポートと一緒に乗務員に渡すように。
とのことだった。

 

乗務員に任せなくても、個人でボーダーのイミグレーションに出向いてビザ申請することも勿論可能だが、カンボジアボーダー名物の賄賂よこせ攻撃に巻き込まれるのも面倒なので普通にバス乗務員に30$払うことにした。

ビザを持っていない大多数の旅行者も同じ考えのようだ。

 

 

バスが出発して10分後、国境に到着した。

視界に写ったのはいかにも簡易的な造りの、ほったて小屋のようなイミグレーションだった。

 

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ラオスーカンボジア国境

 

 

 

イミグレーションの少し手前で、陽射し避けのテントを張り、いかにも賄賂待ちをしている係官達が椅子に腰掛けている。

 

「なんちゃって国境」と呼ぶにふさわしい。

 


入国審査のパスポート、出入国カード、ビザ申請用紙チェックはバス乗務員に任せてあるので、自分達は歩いて国境を通過しようとする。


だがその時だ。

 

「待て、お前達!パスポートチェックだ!こっちへ来い!

テントの下の係官が声をかけてきた。


いや、チェックも何も今パスポート持ってないんだけど。

一緒に歩いていた西洋人の男性がその旨を係官に伝える。

 

よく分からん!いいからこっちへ来い!

係官はお構いなしにこう言ってくる。

 

「いやいや、だから今パスポートはバススタッフに渡してあるって言ってるだろ」

西洋人男性が言う。

 

とにかくこっちに来い!

カンボジア係官が言う。

 

……人の話を聞け係官。

それともアレか?賄賂か?賄賂要求するつもりか?

 


やれやれ、どうしようか。
(´・ω・`)

 


そう思った時、

「おーい、その旅行者達のパスポートはこっちで預かっているんだ!」

バス乗務員がパスポートがどっさり入った袋を抱えて走ってきた。

 

ナイスタイミングだ乗務員!
というわけだ、係官君。

 

視線でそう伝えて、自分達は国境を越えた。

あとはパスポートが返ってくるのを待つだけである。

 

 

 

1時間近く経過した。

 

「おいおい、まだかよー」
( ´д`)

周りの旅行者が口を漏らす。

 

イミグレを覗きにいったスキンヘッドの兄ちゃんが言うには、係官達はとてつもなくスローペースで作業してるそうだ。

 

「考えられないぜ、まだパスポート半分近く机に詰まれていたぞ!
(*`∧´)

 

まぁ、そのスローペースぶりがいかにもアジア辺境の国境らしい。

 

 

更に1時間経過。

ようやく全てのパスポートチェックとビザ貼り付けが終わったようだ。

 

 

 

 

バスが出発し、約1時間後ストゥントゥレンに到着。

ストゥントゥレンで降りるのは自分1人だけだった。

 

ちょっと歩いただけで汗が吹き出てくる。

 

 

………………暑ぃ
(;´д`)ゞ

 


カンボジアこんなに暑かったっけ?
まだ乾季なのにこの暑さはヤバイな……。

 

溶けてバターになりそうだわ。
(;´д`)ゞ

 

 

 

ストゥントゥレンの町はラオスと同じくのどかである。
観光地ずれしていないので、バイクタクシーの人もなんか謙虚だ。

 

しかし、これといって特徴のない街なので、何か見所はあるかと言われれば何もない。

町から遠く離れれば、なにか珍しい出来事にでも遭遇するのかもしれないが、徒歩以外に移動手段がない。

自転車かバイクで旅してる人ってこういう時は得だよな。
(-。-;)

 

 

11_3
カンボジアの田舎町はゆったりとした時間が流れている

 

 

 

 

超早起きした。6時前に起床である。
バスの出発時刻が7時なので苦手な早起きをしなければならなかったのだ。

 

行き先はクラチェという町だ。

淡水イルカを見に行くためである。

クラチェはドルフィンウォッチングの穴場として旅行者に密かに注目を集めている町らしい。

メコン川に生息している淡水イルカは頭が丸く、一般に知られている口が細長いものとは種類が違う。

その淡水イルカを見に行くボートはラオスのコン島からも出ていたが、それに乗った西洋人の兄ちゃんの話を聞くと、
「船頭が「あそこにいるぞ!」と指差していたけどよく分からんかった

と言っていたので見に行かなかったのである。

 

しかし、カンボジアに来てみて思った。

野生の淡水イルカを生で見れる機会なんて滅多にないじゃないか!
というかこの先多分ない!

ということでイルカを見ることが出来るクラチェに行くことにしたのである。

 

 

バス乗り場から首都プノンペン行きのバスに乗る。

「何処まで行くんだい?」(と言っていると思う)

バス乗務員がクメール語で尋ねてきた。

 

「クラチェまでです」(・∀・)

 

そう答えて空いている席に座り、外の景色を眺めていた。

 

 

……ウトウト…。(。-ω-)zzz. . .

 

ん、1時間近く寝てしまったようだ。朝早かったからな。

 

時計を見ると10時を回っていた。

 

お、そろそろ着く頃だな。
(・ε・)

 

そう思ったがバスは一向にクラチェに着く気配が無い。


あれ…おかしいな。
宿のオーナーがクラチェまではバスで3時間くらいって言っていたけど。
(・ω・)


そう思っていると、バス乗務員が自分の前にやって来てこう尋ねた。(と思う)

 

「えーっと、君は何処まで行く予定だったかな?プノンペン?」

 

「いや、クラチェまでですけど」
(・д・)

 

「あぁ、そうなのか、ごめん、クラチェ通り過ぎた
(・ω・`)

 


何ィィィィィィィィィッ!?
ΣΣ(゚д゚lll)

 

 

「おーい、この日本人クラチェで降りる予定だったんだってよ、引き返せない?」

 

「そりゃ無理だ!」

運転手が答える。

 

まぁそりゃ無理だろう。公共交通機関が一人の人間の為にUターンすることは不可能だ。

バス乗務員は困り顔である。

しかし過ぎたことは仕方ない。


「えー、じゃあコンポンチャムまで乗ってもいいですか?」

 

「コンポンチャムかい、OK」

 

バス乗務員が答える。

それから数時間後、バスはコンポンチャムに停車。

 

 

 

やれやれ、まぁクラチェに行けなかったのは残念だが、クラチェまでのバス料金でコンポンチャムまで来れたことだし結果オーライだ。

クラチェには、プノンペンからストゥントゥレン行きのバスに途中乗車すれば行けるが面倒臭い。

コンポンチャム観光しよう。

 

 

11_4
コンポンチャムではフランス統治時代に造られた建物をよく見かけた

 

 

 

3日間コンポンチャムに滞在したが、特に何もない。
マジで日記に書くことが何もなかった。

なので、コンポンチャムからコンポントムへバスで移動した。

 

 

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コンポントムで見かけた女の子。
「この子は学校のアイドルなんだよ」
と周りの子が言っていた。確かにめちゃくちゃ可愛い。
おやつはカンボジアシジミ。将来は多分酒豪である。

 

 

 

 

 

コンポンチャムとコンポントム、名前が似ている。

「チャ」「ト」入れ替えただけである。
名前も似ていれば街並みも似てるような気がする。

 

明確に分かる違いと言えば、コンポントムの方がバナナが大量に売られていることである。
せっかくなのでバナナを一房購入し、パクパク食べながらコンポントムの町を歩いていると、とある物が目に入った。


公道にスポーツジムに置いてあるような筋トレの機具が設置されていたのである。

 


11_6

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……何故公道に筋トレ機具?
(・ω・)?

 

もしかしたらこれは筋トレ器具ではなく、筋トレ器具に見える地雷かもしれないと一瞬考えたが、カンボジア人のおじさんがそれを使って普通に筋トレを始めたので問題ないだろう。

 

せっかくなので、俺も使わせてもらうことにした。

 


とりあえず腹筋からだ。フンッ!フンッ!フンッ!よし、次は背筋だ。フンッ!フンッ!フンッ!よし、次は懸垂だ。
フンッ!フンッ!フンッ!

 

……あー、超気持ちいい。

異国の地での筋トレ超気持ちいい。
(´∀`*)

やっぱり運動して汗を流すってのはいいものだな。

 


翌日も、筋トレ機具がおいてある場所までジョギングをし、筋トレを行った。

まずは腹筋からだ。

フンッ!フンッ!フンッ!

よし、次は背筋だ。

フンッ!フンッ!フンッ!

よし、次は懸垂だ。

フンッ!フンッ!フンッ!

 

 


そのまた翌日も、筋トレ機具がおいてある場所までジョギングをし、筋トレを行った。

まずは腹筋からだ。

フンッ!フンッ!フンッ!

よし、次は背筋だ。

フンッ!フンッ!フンッ!

よし、次は懸垂だ。

フンッ!フンッ!フンッ!

 

 


……あー、超気持ちいい。
異国の地での筋トレ超気持ちいい。
マジで超健康(´∀`*)

 

 


コンポントムに来て以来、俺はこの筋トレ機具が設置されている場所にしか足を運んでなかった。

 

旅の最中に写真を撮ることなど、完璧に忘れていた。
筋トレの邪魔になるからと、普通に宿にカメラ置きっぱなしである。


あー、ずっとこの町で運動に励みたい。

 

 

あー、というかやっぱりもう旅しなくていいんじゃね?
(´Д`) =3 ハゥー

 

 

アレだよ。ハンモックでダラダラするよりはよっぽど健康的じゃん。
人間アレだよ、しっかり運動して、しっかり食べて、しっかり寝ることが大事なんだよ。
というか旅するのやめて、ここでしっかり体を引き締めて休暇を取ったら帰国してもいいんじゃないか?
トラベルではなくロングバケーション&トレーニングでいいんじゃないか?
どうせ帰国したら働かなきゃ生きていけないんだしさ。
今ここで気分をリフレッシュしないと鬱になっちゃうよ。マジで。
チェンコンで会ったモウリさんとミシェルさんが移動する旅より1カ所に長く居て休暇を満喫したいと言っていた意味が今は凄く分かるわ。

 

 

そういうわけで、俺の旅はここで終わりを迎えた。

 

こんな自分に関わってくれた方々に感謝と敬意を払いたい。

 

ありがとう!旅先で出会った人たち!
俺は帰国しても元気にやっていくよ!(。・`ω´・。)

 

 

11_9

 

 

 

 

 

 

 

………………いか~ん!!

 

 

あ、危ない…………。

旅が終わるところだった。

まだ終わらない。

もうちっとだけ続くんじゃ
(亀仙人風)

 

 

 

……………移動しよう(T^T)グスン

 

 

まぁ運動は3日坊主になるだろうし。

 

でも何処に行けばいいか全然考えてないな。

シェムリアップには行くと決めているが行くのはカンボジアの旅終盤の予定だ。
行くにはまだ早い。

 

……あみだクジで決めるか。

 


メモ帳に東西南北書き出す。

…いや待てよ、東になったら逆走だ。東はやめよう。
…いや待てよ、西も近くにシェムリアップがあるな。西はやめよう。
…いや待てよ、最終的にシェムリアップに行くんなら南に行くのは面倒だ。
南はやめよう。
……北だな。北に行こう。

 

というわけで、北に向かうことにした。

地球の歩き方の地図のページを広げて、コンポントムの北にある町を探す。

タベンミンチェイって町があるな。
よしっ、ここに行くか。(・ε・)


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