パパイヤウィレッジに滞在して、1週間が過ぎた。 自分は現在、毎日ハンモックに寝そべるダラダラ生活を堪能している。
この宿の居心地が良すぎたため、日本にいた頃の引きこもり体質が徐々に発揮されつつあり、何もする気が起きなくなっていたのである。
あー、何もする気起きねー。
もうアレだよ。どうせ遠出しても「今日は~に行った。チェンコンは平和である」的な日記になるんだから別に出歩かなくてもいいんじゃね?
あー、というかもう旅しなくていいんじゃね?
そういうわけで、俺の旅はここで終わりを迎えた。 こんな自分に関わってくれた方々に感謝と敬意を払いたい。
ありがとう!旅先で出会った人たち!
………………いか〜ん!!
あ、危ない…………。 旅が終わるところだった。 まだ終わらない。 もうちっとだけ続くんじゃ(亀仙人風)
……………移動しよう(T^T)グスン
「ヒロコさーん!」
「なんですか大悟さん?」
「明日出ます」
「そうですか、寂しくなりますね。もっと居てもいいんですよ」
「いや、このままだと1ヶ月、2ヶ月と居てしまいそうな気がするんです」
「いいじゃないですか、この宿で今まで1番長く泊まっていた人は2ヶ月間いましたよ」
「マジっすか!?」
「ちなみに2番が今のところミシェルの20日です」
……いっそ、記録更新してやろうかな。
「うん、…明日出ます」
そして、翌日の夜明け前。
夢精してしまった………!!
……いや、まぁ生理現象だから仕方ないとしても、どうして出発日になんだ。
音を立てないよう洗面所に行き、こっそりパンツを洗う。 もし、宿にいる誰かにパンツを洗っている今の状況を見られたら、 それだけは避けたい。
静かに宿のドアを開け、洗濯竿にパンツを干して部屋に戻る。
そして朝、荷物のパッキングをしている最中にモウリさんが部屋にやってきた。
「お、大悟パッキングしてんの?」
「あ、はい。……モウリさん、実は誤算な出来事が。まさに大悟さんの大誤算がありまして」
「え、どしたん?」
「実は……、夢精しました」
「えっマジで!?」
「はい」
「夜!?」
「はい」
すると、モウリさんは目を輝かせながら部屋を出てすぐそこにあるベランダに向かった。 そこで黄昏れているマナミさんに言う。
「聞いて聞いて!大悟夢精したって!!」
マナミさん、目が点である。 「もー、そんなこと大きな声で言わなくてもいいじゃん」
次に階段を下りた先にいたヒロコさんにも言う。
「ヒロコさん聞いて聞いて!大悟夢精したって!!」
やめんかァァァァァァァァァァァィッ!!
ヒロコさんも目が点である。
「はぁ……、なんて返せばいいのか……」
モウリさんに伝えたのは失敗だった。 とんだ人間拡声器である。
そして遂にパパイヤウィレッジともお別れである。本当に凄くいい宿だった。 宿をチェックアウトして、皆に挨拶をする。 ヒロ子さんがバス停までトゥクトゥクで送ってくれた。
さらば。チェンコン。
そしてパパイヤウィレッジでは夢精した日本人がいたことを長く語り継がれるであろう……。(号泣)
チェンマイ行きのバスに乗り、到着後すぐにバスターミナルに向かい、ウボン・ラチャターニー行きの長距離バスに乗る。 チェンマイ素通り。 約17時間かけてウボンラチャターニーに到着後、ラオスのパクセ行きの国際バスに乗る。 ウボンラチャターニーも素通り。
まさに弾丸トラベルである。
…………疲れた。
昨日までタイ北部に居たのこともあり余計暑く感じる。 陽射しの強さも全然違う。 これが南国の太陽パワーか……。(;´д`)
カンボジア国境に近づくと、メコン川の川幅は大きく広がり、そこには大小の様々な島が存在する。 パクセに2泊した後、俺はそこへ向かうことにした。 最初に向かうのはシーパンドン最大の島、コーン島である。 チケットオフィスで購入したのはピックアップ付きのバスチケットだったので、宿の前で向かえが来るのを待つことにする。
うん、そろそろ来る頃だな。
20分経過。 ……もう来てもいいんじゃないか、バス停からバス出てしまうぞ。
30分経過。 ……まさか俺がチケット買ったの忘れられているんじゃないのか?
チケットにオフィスの番号が記載されているので、そこに電話をかけてみることにした。 「すいませーん、電話借りてもいいですか?」 「はいどうぞー」 宿の人から電話を借りる。
……はっ!Σ(゚д゚)
「すいませーん!こうこうこういうわけでして変わりに話してもらえないですか?」
「いいですよー」
宿の人に電話してもらう。
「ハロー、サバイディー。ソックヌクトンルゥー、チョノポチョノタルタルソース、ニープン。…………ボー、ボー、……セケーチャットック………。すぐに向かえに行きますだってさ」
「分かりました。ありがとうございます」
宿の人にお礼を言って、改めて宿の前で向かえを待つ。
5分後、てっきりミニバスが来るかと思っていたが、トゥクトゥクがやってきた。
「コーン島に行く人か!?」
「そうですが」(´・ω・`)
「チケット見せて!」
言われるままにチケットを見せる。
「よし!乗れ!」
いや、乗れ!って言われても、まさかトゥクトゥクでシーパンドンまで行く気じゃないだろうな……。 それはそれで構わないけど。 よく分からないがトゥクトゥクに乗り込む。
走ること10分。
「見えたぞ、あのバスだ!」
トゥクトゥクのドライバーが前を指差す。
「あのバスに乗れ!」
「大丈夫!スロースピードだ!」
そう言いながらトゥクトゥクのドライバーが見事なハンドル捌きでバスの乗降口の横にトゥクトゥクを寄せる。
「君のバックパックを中に放り投げて、その後に君もバスの中へダイブだ!」
いや確かにスロースピードだけどさ!時速20kmぐらい!?
心の中でそうツッコミを入れたが、ドライバーの言われるまま、渋々バックパックをバスの中に放り投げた。
よしっ、次は俺だ! 「週刊少年ジャンープ!」 叫びながら乗降口にジャンプ! 見事着地成功!
「グッドラック!ジャパニーズ!」
そう言ってトゥクトゥクのドライバーはバスから離れて行った。
「ヘーイ!ちょっとしたアクション映画みたいだったよ!」
バスの中にいた西洋人達が声をかけてきた。
「はは、どうも」( ´д`)
ふぃー、疲れた。でも今の乗り方ちょっと気持ちよかった。 もう絶対したくないけど。
バスで走ること3時間、コーン島手前の村ハットサイクンに到着した。 すぐにボートに乗り込み、コーン島へ移動。
ここがコーン島かぁ……。
まさに、The 島ッ!って感じが漂う島である。
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超インドア派。妄想族である。立ち相撲が結構強い。
好きなTV番組は「SASUKE」。