昼前からシトシトと小雨が降り始めた。 ジメジメ暑いな。
雨が降ってるということもあり、宿の庭にあるハンモックでダラダラしていた。 パパイヤウィレッジの時もそうだったが、俺はどうもハンモックに弱いらしい。 宙にブランブランと寝そべるこの感覚がなんともいえないのだ。 おそらくアレだ。この感覚は母胎に優しく包まれている胎児のそれに近い。
そんなこともあり、ハンモックがあると1日中ダラダラしてしまう。
……いかん、またダラダラしてしまうわけにはいかない。
このハンモックの魅力から逃れる為には宿を変えるしかないか。 というわけで、コン島(今いるのはコーン島、ややこしい)行きのボートチケットを宿で購入。 シーパンドンの魅力が集まる島はコン島と言われてるしな。
そして、翌日。 荷物をまとめてボート乗り場に向かう。 ボート乗り場で待つこと20分後、エンジン音を立ててボートはコン島に向けて出発。 ボートは旅行者を乗せてスイスイメコン川を進んでいく。
風を感じて悦になること1時間後、ボートはコン島に到着。 昨日まで居たコーン島に比べて遥かに小さい島だが、旅行者の数は多い。 メコン川を眺めながら、ゆったりと過ごせ、ちょっとしたバカンス気分が味わえるため西洋人旅行者が1年中訪れるそうだ。
旅行者が多いのでゲストハウスは多い。 最後に尋ねた宿も50000Kipと言われたので、1週間近く泊まるからディスカウントしてくれないかとお願いしたら40000Kipにしてくれた。 川沿いにある宿なので、部屋を出ると目の前にメコン川の流れる美しい景色が目の前に広がる。 どうやらまだハンモックの魅力から逃れることは出来ないようだ。
コン島にはラオスのどんな場所にもあった市場が無い。 島の人はボートを出して買い出しに行っているらしい。 しかし、市場が無いということは市場とセットになっている食堂が無い。
対して、旅行者向けのレストランはかなりの数である。 これにはたまげた。 ノートパソコンやスマホを常備している旅行者が集まるわけである。 だがノートパソコンやスマホを持たない自分に必要なのはWi-Fiでは無い。 一応、レストランのメニューを見ておいたが旅行者向けあって高い。
そんなわけで、島を歩き回って少しでも安く食事が出来る店を探してみることにした。
テーブルの上に調味料一式が置いてあるところを見ると食堂だな。 店の奥の方で、この食堂の家族の方々が寝そべりながらテレビ視聴していた。
「すいませーん」(・ω・`) 声をかける。
「オオ、スヌマリハーンイァンホンペッパー!」
寝そべっていたおじさんが起き上がり声をかけてきた。
「ナクニャツアックンハコチビデブハゲンパニャ」
さっぱり分かんねー。
とりあえずここで飯食えますか?とジェスチャーで示す。
「OKOK!」(≧∇≦)b
どうやら通じたようだ。
簡単な英語が全く通じない店でも飯にありつけるように、食べ物に関わるラオ語は事前に少し覚えておいた。 外国人がラオ語で注文したことにおじさんはびっくりしたらしい。
「おぉ!ラオ語だ!君ラオ語が話せるのか!?」
「ボーダイ、コイボーカオチャイバーサラオ
「めっちゃ話しているじゃないか!ハッハー!」
テンション高いおじさんだな。
「そうだ、ラオラオ飲むか?」
そう言っておじさんはガソリンタンクからラオラオを注ぎはじめた。 ガソリンタンクに酒入れてる人初めて見た。
コップに注がれたラオラオを一気に飲み干す。
「いい飲みっぷりだ!兄ちゃん!ところで、君は何人だ?」
「日本人です」
「そうか日本人か!俺の息子はタイのバンコクで働いているんだ!」
色々とおじさんの話を聞いている間に、おじさんの奥さんが料理を作って持ってきてくれた。 どどーんと大盛りである。
おぉ、やっぱりレストランより食堂だよな。
「そういえば君の名前は何て言うんだ?」
おじさんが尋ねる。
「大悟です」
「大悟!俺の名前はストローだ!」
ストローおじさんね。
「俺はタオだ!」
ん?横からいきなり知らないじいさんが登場してきた。
「大悟、この人は俺の親父だ」 とストローおじさんは言った。
「大悟、ビアラオも飲むか?」 ストローおじさんは冷蔵庫からビアラオを取り出す。
「そうだ!俺の友達も呼ぼう!」 そう言って、ストローおじさんは友達に電話をかける。
「ハロー!サバイディー!今ウチに日本人が来ているんだ!一緒に酒飲もうぜ!」
5分もしないうちに、ストローおじさんの友達が3人駆け付けた。
皆で酒を飲み、食堂に置いてあるステレオで音楽をかける。
おじさん達かなり酔っ払ってんな……。
「大悟、君も踊れ!」
……えー。なんか恥ずかしい。
乗り気はしなかったが、タダ酒を頂いて踊らないわけにはいくまい。 とりあえず、おじさん達に合わせて踊り始める。
しかし酔っ払い集団と一緒に踊るのは疲れるな。
そう思った時、 「いい加減にしなさい!何時だと思ってるの!」 奥さんがストローおじさんを叱り飛ばした。 まだ10時前だが、現地の人は床につく時間である。
「まぁまぁ、いいじゃないか。少しくらい」
「もう寝る時間よ!音楽止めなさい!」
踊りはお開きである。
「えー、ストローおじさん、俺もそろそろ宿に戻るわ」
そう言って、自分は食堂を後にした。
しかしアレだな。
シーパンドンに滞在していて気付いたことがある。 白人の方々には陽光欲というものが存在するのではないか と疑ってしまう程、白人男性旅行者の9割は島では常に上裸である。 歩いている時も、自転車に乗っている時も、ハンモックで寝ている時も、ボートに乗っている時も、食事をしている時も、常に上裸である。 何故上裸なのかというと、日焼けしたいからに決まっているのだと思うが、 この強烈な陽射しの下では日焼け通り越して火傷するのではないか? それとも火傷する程、太陽光を身体が求めているのか。
「実は僕たち葉緑素を持っていて、光合成をしているのさ。ハッハッハ」
とでも言われたら納得してしまいそうだ。
この1週間の間に、色々なことがあった。
精霊が住むと言われているソンパミットの滝を見に行ったのと、子供と一緒に川の石運びをした(筋肉痛になった)のと、同じ宿に泊まっていた韓国人の女性に飴を貰ってその人に胸キュンしたぐらいだ。 しかし、いつもカメラを持って島中をブラブラしているので、島に住んでいる人たちとは顔見知りになり、名前まで覚えてもらった。 これはいいことである。
「大悟っ、カメラ貸して!」
学校が終わると、子供達が毎日そう言ってくるので、カメラを渡してメコン川を眺めながらボケーッとするのが毎日の日課になりつつある。
「いつも子供の相手して疲れるだろ!ビール飲め!」 子供の親からビアラオを貰うこともあった。 カメラ渡してるだけなのに悪いなぁ…。
昼食はいつもストローおじさんの所の食堂で済ませている。 「今日も来たね!ほらサービスだ!」 おじさんの奥さんはそう言って、料理を特盛にしてくれたり、果物をくれたりする。
ヤベー。最高☆
この島、居心地が良すぎる。
あー、というかやっぱりもう旅しなくていいんじゃね?
そういうわけで、俺の旅はここで終わりを迎えた。
こんな自分に関わってくれた方々に感謝と敬意を払いたい。
ありがとう!旅先で出会った人たち!
………………いか~ん!!
あ、危ない…………。 旅が終わるところだった。 まだ終わらない。 もうちっとだけ続くんじゃ(亀仙人風)
……………移動しよう(T^T)グスン
というか、どっちみちラオスの入国日数期限がそろそろ切れる。
そんなわけで、カンボジア方面へのバスチケットを購入。 およそ1年10ヶ月ぶり、2度目のカンボジアだな。
待ってろ!アンコールワット!
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超インドア派。妄想族である。立ち相撲が結構強い。
好きなTV番組は「SASUKE」。