宿のチェックアウトを済ませて、ボートでメコン川ほとりの村、バンナカサンまで向かう。 自分の他にも、ここからカンボジアに向かう旅行者は結構いた。
バンナカサンに到着後、バス乗り場に案内された。
バスの運転手と乗務員が、カンボジア入国について説明を始める。
ビザの発給料金が20$、ラオス出国、カンボジア入国の時、係官に渡す賄賂(?)が5$、早急にビザ発給してくれるように渡す賄賂(?)が5$の合計30$。ビザ申請用の顔写真を持っていない人はもう少し必要。出入国カードとビザ申請用紙の記入を済ませたら、パスポートと一緒に乗務員に渡すように。
乗務員に任せなくても、個人でボーダーのイミグレーションに出向いてビザ申請することも勿論可能だが、カンボジアボーダー名物の賄賂よこせ攻撃に巻き込まれるのも面倒なので普通にバス乗務員に30$払うことにした。 ビザを持っていない大多数の旅行者も同じ考えのようだ。
バスが出発して10分後、国境に到着した。 視界に写ったのはいかにも簡易的な造りの、ほったて小屋のようなイミグレーションだった。
イミグレーションの少し手前で、陽射し避けのテントを張り、いかにも賄賂待ちをしている係官達が椅子に腰掛けている。
「なんちゃって国境」と呼ぶにふさわしい。
「待て、お前達!パスポートチェックだ!こっちへ来い!」 テントの下の係官が声をかけてきた。
一緒に歩いていた西洋人の男性がその旨を係官に伝える。
「よく分からん!いいからこっちへ来い!」 係官はお構いなしにこう言ってくる。
「いやいや、だから今パスポートはバススタッフに渡してあるって言ってるだろ」 西洋人男性が言う。
「とにかくこっちに来い!」 カンボジア係官が言う。
……人の話を聞け係官。 それともアレか?賄賂か?賄賂要求するつもりか?
「おーい、その旅行者達のパスポートはこっちで預かっているんだ!」 バス乗務員がパスポートがどっさり入った袋を抱えて走ってきた。
ナイスタイミングだ乗務員!
視線でそう伝えて、自分達は国境を越えた。 あとはパスポートが返ってくるのを待つだけである。
1時間近く経過した。
「おいおい、まだかよー」 周りの旅行者が口を漏らす。
イミグレを覗きにいったスキンヘッドの兄ちゃんが言うには、係官達はとてつもなくスローペースで作業してるそうだ。
「考えられないぜ、まだパスポート半分近く机に詰まれていたぞ!」
まぁ、そのスローペースぶりがいかにもアジア辺境の国境らしい。
更に1時間経過。 ようやく全てのパスポートチェックとビザ貼り付けが終わったようだ。
バスが出発し、約1時間後ストゥントゥレンに到着。 ストゥントゥレンで降りるのは自分1人だけだった。
ちょっと歩いただけで汗が吹き出てくる。
………………暑ぃ
溶けてバターになりそうだわ。
ストゥントゥレンの町はラオスと同じくのどかである。
しかし、これといって特徴のない街なので、何か見所はあるかと言われれば何もない。 町から遠く離れれば、なにか珍しい出来事にでも遭遇するのかもしれないが、徒歩以外に移動手段がない。 自転車かバイクで旅してる人ってこういう時は得だよな。
超早起きした。6時前に起床である。
行き先はクラチェという町だ。 淡水イルカを見に行くためである。 クラチェはドルフィンウォッチングの穴場として旅行者に密かに注目を集めている町らしい。 メコン川に生息している淡水イルカは頭が丸く、一般に知られている口が細長いものとは種類が違う。 その淡水イルカを見に行くボートはラオスのコン島からも出ていたが、それに乗った西洋人の兄ちゃんの話を聞くと、 と言っていたので見に行かなかったのである。
しかし、カンボジアに来てみて思った。 野生の淡水イルカを生で見れる機会なんて滅多にないじゃないか! ということでイルカを見ることが出来るクラチェに行くことにしたのである。
バス乗り場から首都プノンペン行きのバスに乗る。 「何処まで行くんだい?」(と言っていると思う) バス乗務員がクメール語で尋ねてきた。
「クラチェまでです」(・∀・)
そう答えて空いている席に座り、外の景色を眺めていた。
……ウトウト…。(。-ω-)zzz. . .
ん、1時間近く寝てしまったようだ。朝早かったからな。
時計を見ると10時を回っていた。
お、そろそろ着く頃だな。
そう思ったがバスは一向にクラチェに着く気配が無い。
「えーっと、君は何処まで行く予定だったかな?プノンペン?」
「いや、クラチェまでですけど」
「あぁ、そうなのか、ごめん、クラチェ通り過ぎた」
「おーい、この日本人クラチェで降りる予定だったんだってよ、引き返せない?」
「そりゃ無理だ!」 運転手が答える。
まぁそりゃ無理だろう。公共交通機関が一人の人間の為にUターンすることは不可能だ。 バス乗務員は困り顔である。 しかし過ぎたことは仕方ない。
「コンポンチャムかい、OK」
バス乗務員が答える。 それから数時間後、バスはコンポンチャムに停車。
やれやれ、まぁクラチェに行けなかったのは残念だが、クラチェまでのバス料金でコンポンチャムまで来れたことだし結果オーライだ。 クラチェには、プノンペンからストゥントゥレン行きのバスに途中乗車すれば行けるが面倒臭い。 コンポンチャム観光しよう。
3日間コンポンチャムに滞在したが、特に何もない。 なので、コンポンチャムからコンポントムへバスで移動した。
コンポンチャムとコンポントム、名前が似ている。 「チャ」と「ト」を入れ替えただけである。
明確に分かる違いと言えば、コンポントムの方がバナナが大量に売られていることである。
……何故公道に筋トレ機具?
もしかしたらこれは筋トレ器具ではなく、筋トレ器具に見える地雷かもしれないと一瞬考えたが、カンボジア人のおじさんがそれを使って普通に筋トレを始めたので問題ないだろう。
せっかくなので、俺も使わせてもらうことにした。
……あー、超気持ちいい。 異国の地での筋トレ超気持ちいい。 やっぱり運動して汗を流すってのはいいものだな。
まずは腹筋からだ。 フンッ!フンッ!フンッ! よし、次は背筋だ。 フンッ!フンッ!フンッ! よし、次は懸垂だ。 フンッ!フンッ!フンッ!
まずは腹筋からだ。 フンッ!フンッ!フンッ! よし、次は背筋だ。 フンッ!フンッ!フンッ! よし、次は懸垂だ。 フンッ!フンッ!フンッ!
旅の最中に写真を撮ることなど、完璧に忘れていた。
あー、というかやっぱりもう旅しなくていいんじゃね?
アレだよ。ハンモックでダラダラするよりはよっぽど健康的じゃん。
そういうわけで、俺の旅はここで終わりを迎えた。
こんな自分に関わってくれた方々に感謝と敬意を払いたい。
ありがとう!旅先で出会った人たち!
………………いか~ん!!
あ、危ない…………。 旅が終わるところだった。 まだ終わらない。 もうちっとだけ続くんじゃ
……………移動しよう(T^T)グスン
まぁ運動は3日坊主になるだろうし。
でも何処に行けばいいか全然考えてないな。 シェムリアップには行くと決めているが行くのはカンボジアの旅終盤の予定だ。
……あみだクジで決めるか。
…いや待てよ、東になったら逆走だ。東はやめよう。
というわけで、北に向かうことにした。 地球の歩き方の地図のページを広げて、コンポントムの北にある町を探す。 タベンミンチェイって町があるな。
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超インドア派。妄想族である。立ち相撲が結構強い。
好きなTV番組は「SASUKE」。