さらば、極寒の地よ(旅行記31話)

 

カラ・パタールの麓にあるゴラクシェプに到着。標高は5150m。

遂に5000mを越えたところで寝泊まりするようになったか。

ロッジの付近を散歩していると、なにやらチョコチョコ動いているものが見えた。

 

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ん?(; ・`д・´)

この後ろ姿は………。

 

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鳩だ!
Σ(・д・)

 

いやいや、こんな標高5000mを越えた場所に鳩なんかいるわけない………

 

クルッポー。←鳴いた

 

鳩だ!
ΣΣ(゚д゚)

 

こんな場所にも鳩って生息してるんだなー。
(・ω・)

 

鳩なのかどうか定かではないけど。

 

 

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ゴラクシェプへ向かう途中の景色

 

 

夜、ロッジの部屋で床についたが案の定、寒すぎて眠れん。

 

あまりにも気温が低いため、ペットボトルに入っている飲み水がどんどん凍ってきている。


う〜、寒い……。
ブルブルブル(((*´д`*)))


布団を貸してもらえなかったら絶対凍死してるなこれ。

 

それにしても寒すぎるだろ、ここは。
ブルブルブル(((*´д`*)))


冷え性の俺にはキツイな。手足の末端が冷えきってしまう。

 

「お前、暑苦しい顔してるのに、冷え性ってギャグだろwww

ってよく馬鹿にされていたのだが、俺は一般的な女性よりもかなりの冷え性なのだ。


なんか少しでも暖まる方法ないかなー。


……あ、そうだ!
∑(。・Д・。)!


そういえばメグミさんにホッカイロを3個貰ったんだった。

 

これは今使わなくていつ使う!?
今でしょ!


バックパックからホッカイロを1個取り出し、封を開けてワシャワシャ握りながら温かくなるのを待つ。

 

よしっ、これで少しは暖をとれる筈だ。

 

しかしいつまで経ってもホッカイロが温かくなる気配がない。

 

んーむ、何故温まらない?
(‐ω‐)

 

不良品かな。

仕方ないので2個目のホッカイロの封を開けてワシャワシャ握りながら温かくなるのを待った。

 

しかし、これまた同じく温かくなる気配がない。


しゃべくりお姉さんめ〜、不良品を掴ませやがって………。
(`ω´*)


とゆうかこれホッカイロか?
ホッカイロという名前の麦茶のパックじゃねぇのこれ?


そんなことも考えたが、3個目のホッカイロは無事に温かくなった。


ほぇ〜。あったけぇ〜。暖まる〜。
ホッカイロ股間に当てると全身暖まる〜。
(´∀`*)

 

ホッカイロくれたメグミさんに感謝だわ。

 

 

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ゴラクシェプから北西に向かって3時間ほど歩くと、エベレストベースキャンプに到着する。

そこはエベレストに登るシェルパや登山隊が拠点としている場所だ。

かなりの数のテントが張られていた。


ベースキャンプから少し離れたところには氷河が広がっている。

そこは生半可な覚悟では命を落とす、エベレスト登山への入口だ。

 

「山はどんな人間も等しく受け入れる」

 

ふと、何処かで聞いたこんな言葉を思い出した。

 

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「ではでは、山さん。俺超インドア派ですけど失礼します」

そう思いながら氷河の近くまで足を運んでみると、そこは静寂の世界だった。
耳が捉えるのは、雪溶け水が流れる音と自分の足音のみだ。

その静けさが妙に心地いい。

 

はー……。やっぱり音の無い場所は落ち着くのう……。
(´ー`)

 

辺りには地面から生えるように氷が連なっており、雪溶け水が流れている周囲には、たくさんの氷柱が輝いている。

さらに奥まで進むと、青白い巨大な氷壁が静かに佇んでいた。

 

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おぉー、デケェー。
(・д・)


カキ氷たくさん作れそうだ。
苺シロップ持って来ればよかった。

 

 

 

翌日、カラ・パタールに登るため、深夜の3時半に起床。

他のトレッカーがいない間に山頂に登り御来光を拝もうと考えたので、かなりの早起きになった。

懐中電灯を持ってサンタさんとロッジの外に出る。

 

 

……寒ィィィッ!

超寒ィィィィィィッ!!
ΣΣ(((((( ;゚Д゚)))))

 

 

当たり前なことだが、むちゃくちゃ寒い。

 

懐中電灯の明かりを頼りに凍てつくような深夜の山道を歩いていく。


「うぅ、寒い……」
ブルブルブル(((*´д`*)))

 

「とても寒いですね」
ブルブルブル(((*´д`*)))


俺とサンタさん、2人ともブルブル震えながら歩いている。

 

登山隊のような重装備ではないため、この寒さでは体を動かしてないと死んでしまう。

 

陽が出ていない時間帯はここまで気温が低くなるものなのか。

早朝にカラ・パタールに向かうのは失敗だったな……。
ブルブルブル(((*´д`*)))

 

空が次第に青色に変わる頃、カラ・パタールの最高地点に到達した。
標高は5545m。

周りの黒い岩山には純白の雪が覆い被さり、眼下には厚い雲が一面に広がっている。

 

 

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後ろの黒い山がエベレスト

 

 

「うう……、早く写真撮って戻りましょう。15分以上いたら死んでしまう

そう言いながらブルブル震えるサンタさん。

 

「しょ、しょうですね……」

 

もう余りの寒さに喋ることもままならない。
なんかもう寒いを通り越して、痛いぐらいだ。

 

なにせ、着ているダウンに霜が降りて、パキパキに凍ってきている程である。

俺は今、人生で初めて、寒さによる生命の危機を感じている。

 

あぁ……!なんか身体中が痛い……!
もう限界だ……!

これ以上ここにいたら死ぬ………!!
(((((( ;゚Д゚)))))

 

 

「よしっ、戻りましょう!」
(((((( ;゚Д゚)))))

 

そう言って、サンタさんと来た道を震えながら戻っていった。


夜が明けきり気温が上がってきた頃に、他のトレッカーはロッジを出て、カラ・パタールへ向かっていた。

 

うーむ、俺もこの時間帯にカラ・パタール行けばよかったな……。
(´д`)

 

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遠くを眺めているネパール人の青年

 

 

そして、1ヶ月にも及ぶトレッキングを終え、俺はカトマンズに戻って行った。

ずっと空気が澄んでいる高所にいたので、カトマンズの排気ガスまみれの空気がちょっとキツイ……。(泣)


 

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