いざキャンジン•リへ(旅行記21話)

 

トレッキング4日目。

 

「なんか内蔵の調子めちゃくちゃ良くない?」

朝食を摂りながら大輔さんが言う。

 

「大輔さんもですか?奇遇ですね。俺もすこぶる快調です」
(`・ω・´)キリッ

 

「だよね。足は筋肉痛だけど、毎日快便なんだよねー」

 

ですよね。高身長、高学歴、高収入の3Kには全く当てはまらないですけど毎日、快眠快食快便3Kにはばっちり当てはまってます。トレッキングの力って凄いですね

 


トレッキングを始めて、昨日からびっくりするほど快便である。(=´▽`=)
23年と5ヶ月生きてきたが、ここまで快便なのは珍しい。

 

つい先ほどもトイレに行ってきたが、「俺は牛かっ!」とツッコミたくなるほど、てんこ盛りであった。

 

もし俺がまだ子供でここが自宅だったら、間違いなく
お母さ〜ん!見てみて!うんちたくさん出たよ!
\(*^▽^*)ノ
流さずに家族に見せつけるだろう。

 

それぐらいてんこ盛りだった。

 

 

ここまで出てくると、朝から非常に清々しい気分である。

 

牛のように
ンモォォォォォォ!うんちたくさん出たよ!ンモォォォォォォ!
歓喜の雄叫びを上げたくなるほどだ。

 

 

そんな清々しい気持ちでランタン村を出発。

 

朝のうちは、空は真っ青に澄んで雲ひとつ無い。これが本当の空の青さなんだなと、月並な感想だが、純粋にただそれだけを考えながら歩き始めた。

 

 


21_1

img_5457

 

 

 

さすがに、標高3500mを超えると少し歩くだけで息が切れてくる。

 

「ハァ〜、空気が薄いのがよく分かりますね」
(;´д`)

 

荷物が無い手ぶらの状態ならば、かなり楽に山道を登ることができるだろうが、やはり荷物を背負っていることが負担となっている。
平坦な道ならなんともないが、少しでも上りの道になるとかなりキツくなる。

 

昨日は体が軽かったのに、今日はそうでもないな。

 

「あぁ、しんどい〜」

 

「ハァ、山を登り始めて3日目だけど、やっぱキツいわ」

 

激しく呼吸する2人に対して、ラムさんは息切れひとつしてない。

「ユックリユックリネ」

 

……凄いな、サイボーグかこの人?
(゚Д゚)

 

そんなことを思いながら歩いていると、先ほどから左膝に妙な違和感があることを覚えた。

 

ん?何じゃこの感じ?なんかつっぱる感じだな……。
ま、痛くないからいいか。
(・ω・`)

 

俺は全く気にせず普段通り歩き続けた。

 

 

21_2
途中の休憩地点でイエーイッ!(>▽<)

 

 

 

ランタン村を出発し、2時間程経過。

 

「疲レマシタカ?」

歩きながらラムさんが尋ねてきた。

 

「ハァ、疲れましたよ〜、休憩しましょうよ〜」
(;´д`)

 

「ハァハァ、さすがに俺も休憩したいな」

 

「ハイ、休憩デス」

 

バックパックを地面に降ろして休憩をとる。

 

「もうそろそろ富士山の標高と同じくらいかな」

大輔さんが言う。

 

「もうそんな高さまで来てるのかぁ。富士山って標高何mでしたっけ?」

 

「3776mだよ」

 

「はぁ〜、詳しいですね」
(・ω・)

 

「いや、まぁ一応静岡県在住だからね」
( ̄ω ̄)

 

「俺の地元、櫛ケ浜って町にも太華山って山あるんですよ」

 

「へえ、何m?」

 

362mです」

 

「低いなっ!」
Σ( ・`д・´)

 

大輔さんは静岡県出身で、家から外に出ると常に富士山が見えてるらしい。しかし、それにも関わらず一度も登ったことがない。

大輔さん曰く、「常に見える位置にあるからいつでも登れるじゃんと思ってたら、未だに登る気になれず今日に至る」とのことだ。

ちなみに、富士山が世界遺産に登録されるのは、この日から1年3ヶ月後のことである。

 

 

休憩を終えて、再び歩き出す。

およそ1時間後、前方にポツポツとロッジが見えてきた。

 

「お、集落発見」

 

「キャンジン・ゴンパデス」

 

「やっと着いた〜」

 

キャンジン・ゴンパに到着。
標高3800m。

 

 

21_3

 

 

ランタントレッキングコースの一番標高が高いところにある集落だ。ここから先には、ロッジも茶店もない。

真っ白な雪を被った岩山が間近に迫っている。

 

「遂に富士山の高さ超えちゃいましたねー」

 

「だね。遂にこの高さまで来ちゃったな。日本帰ったら富士山登ろうかな」

 

ロッジに荷物を置いて、昼食を摂る。

 


昼食後。
キャンジン•ゴンパの上、タルチョがはためくピーク、標高4550mのキャンジン•リに向かった。

 

夕方に戻ってくるので、荷物はロッジに置いておく。

道はかなりの急勾配だ。
ヤクの踏跡をたどりながら、ゆっくりと歩いていく。

遠くに見える頂上でタルチョが強風ではためいていた。

 

「ゼェーゼェー、まだまだ頂上は遠い……」
ゼェゼェ(-Д-;)

 

「ゼェーゼェー、今日が一番キツいな……」
ゼェゼェ(-Д-;)

 

「ユックリユックリネ」

 

持っている荷物はカメラだけだというのに、3分も歩かないうちにかなり息がきれてしまう。

こまめに立ち止まり、息を整えては歩き続ける。

 

標高4000mを超えると、時折、凍えるような強風が空気を切り裂く音をたてて体に襲ってきた。
しかもそれは、足下からえぐり込んでくる砂埃を含んだ強風だ。

 

ぶわーっ!砂埃が凄い!目が開けられねぇ!
ってか風が下から吹いてくるよ!
Σ(゚д゚;) ヌオォ!?

 

その強風に乗って、雲が形を変えながら迫ってくる。辺り一面真っ白な水蒸気に覆われ、視界が捉えるのは白色のみだ。

 

うわーっ!何も見えねェッ!
(||゚Д゚)ヒィィィ!

 

そんな時は風が止むまで、ただ立ちどまる。

 

「雲が生き物みたいですよ」

 

「砂埃は参るね、目が痛くなる」

 

その後も、ゆっくりと頂上に向かって足を進めていく。

 

「ゼェッゼェッ…、地球の歩き方に書いてあったんだけどさ……」
(;´д`)

 

「ハァッハァッ、なんですか?ゼェーゼェー」
(;´д`)

 

「ゼェーゼェーッ……、キャンジン•リってキャンジン•ゴンパで一泊して、高度に体を慣らして登るのが普通らしいよ…ゼェーゼェーッ……」
(;´д`)

 

「ハァッ…、そうなんですか」
(;´д`)

 

「半日で3500mから4500mまで登るってキツ過ぎるだろ…ゼェーゼェーッ」
(;´д`)

 

「ゼェーゼェーッ……確かに」
(;´д`)

 

2人ともかなり呼吸を乱していた。

 

しかしさっきからタルチョはずっと見えたままなのに、なかなか辿り着かないな。

「ゼェーゼェーッ……、タルチョはずっと見えてるのに、辿り着かないですね」
(;´д`)

 

「ゼェッゼェッ…、近くに見えるけど、意外に遠いんだよ」
(;´д`)

 

そして、息を切らしながら山頂を目指すこと数十分。

遂に目の前にタルチョが現れた。

 

ゼェーゼェーッ……、つ、着いた………!
(´Д`|||)

 

 

「やっと着きましたね〜」

 

「あ〜、しんどかった。ちょっと頭痛いな」

 

大きな岩の上に腰を下ろす。

 

はぁ〜っ疲れた〜。でもやっと登った〜。

 

息を整えた後、立ち上がって周りを見渡してみた。

眼下にはキャンジン・ゴンパにある家々がポツポツと建ち並んでいる。

 


「キャンジン•リ……、登ったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」

ぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい

ぞぉぉぉぉぉぉぉい

ぞぉぉぉぉぉい

 


声が遠くからこだまする。


「おぉ〜山彦ってますね〜」
(´ω`)

 

「大悟サン」

 

「何ですか、ラムさん?」

 

「ココ、キャンジン•リジャナイネ」

 

……ん、どういうこと?
(・・。)?

 

「キャンジン•リ、アソコデス」

そう言うラムさんの指差した先を見ると、そこにはタルチョが立てられていた。

現在、自分達がいる場所より更に高い。

 

キャンジン・ゴンパから見えていたピーク、つまり現在自分達が立っている場所はキャンジン•リに行く手前の休憩ポイントだったようだ。標高4350m。

キャンジン・ゴンパからは見えない位置にある、この先のもう一つのピークがキャンジン•リだったわけだ。

 

まだ登るのか……。キツいなぁ……。
(;´д`)

 

とりあえず、大輔さんと記念撮影しておく。

 

21_4
2人とも脳みそ酸欠状態である

 

 

「ジャア、キャンジン•リ行キマショウ」

 

「あ、すいませんラムさん」

大輔さんが言う。

 

「頭痛いです」
(~д~|||)

 

「え、大丈夫ですか?」

 

大輔さんに高山病の症状が出ていた。

 

「まずいね……、頭痛がかなりやばい。どんどん痛みが増してる。ここに登ってる途中から痛くなってきたんだけど」

 

「ドウシマスカ?」

 

「……下山します、ロッジに戻ります。大悟君は頂上行ってきてもいいよ」

 

「え、いやそんな悪いですよ」

 

「いいよ、気にしなくて。でもひとつだけ頼みがあるんだけど」

 

「なんですか?」

 

「写真撮ってきてくれない?」

 

はい、これにと、CFカードを手渡される。

 

「御安い御用ですよ。任せてください!」
(`・ω・´)キリッ

 

CFカードを受け取った後、俺とラムさんはキャンジン•リへ。大輔さんは一足早くロッジに戻っていった。

 

「下り道、気をつけてくださいね〜」

 

大輔さんに声をかけて、俺とラムさんはキャンジン•リを目指して歩き始める。

 

頂上までの登り道が異常にキツい……。
10秒程度歩いただけで、息がかなり乱れる。


ゼェーゼェーゼェーゼェーッ……、さ、酸素が足りねぇ……。
4000mを超える世界は低地の人間が住める世界じゃねぇ……。
身をもって知る登山家の凄さだな……。
ゼェゼェ(゚Д゚;)


「モウ少シ、頑張ッテ」

ラムさんが声を掛けてくる。

 

そして、歩くこと数分後。

遂にキャンジン•リに到達。

 

「ハァッハァッハァッハァー……、着いた……」
(´Д`lll)

 

ここが標高4550mかぁ。

 

冷え込む季節はもうとっくに過ぎていたが、遠くに見える岩山には、まだ雪が大量に覆い被さっていた。

 

凄い風景だなー。でも何故だろう、あまり感動しない……。
カトマンズをバスで出発して見た段々畑の風景の方が感動したような気がするなぁ。

キャンジン•リからの情景を目にしても、何故か全く感動しなかった。

 

そう、この時の俺は日本では見られないような光景を、連日見続けていたので景色を味わう感覚が麻痺していたのだ。

長期旅行者がたまにかかる「絶景麻痺」である。

 

ちなみに、この症状は旅の期間が長くなるほど徐々に悪化していく。
帰国するまで治らない。

 

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21_6
頂上にあるタルチョ

 

 

まぁ、さっきの休憩地点からの景色とそんなに変わらないけど、大輔さんに頼まれた写真撮ってくか。
(・ε・)

 

写真を撮った後、下山を始めた。

 

下山をする直前、ラムさんが山頂近くで立ち小便をしていたのだが、それは如何なものだろうか。

 

山の神に祟られるぞ。

 

下る道は登ってきた道とは違う道だ。キャンジン・ゴンパへ一気に縦走できる下り坂である。その分、傾斜が更に大きくなっているが。

 

いや〜、下り道は楽だね〜。
登りの時より、2倍ぐらいの速さで歩けちゃうな。
(´∀`)

 

そんな気持ちで坂道を下り始めていると、それは不意にやってきた。

 

 

ピキッ。


「痛っ!!!!」
ΣΣ(゚д゚lll)

 

左膝に激痛が走る。


 

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