ドラクエに出てくるような村を目指してヒマラヤの僻地に行ってみた Ⅱ

 

前回の続きです。

 

フォトクサルの村に1泊した自分とトゥクストップはザンスカールへ向けて歩き始めました。

昨日と変わらず、自分のお腹の調子はすこぶる悪く、未だに便意を催している状態です。気分も優れないです。

歩くとオナラがプッププップ出てきます。肛門括約筋を緩めるとウンチも出てきそうです。

 


遠くに見えるフォトクサルの村

 

 

この日はさっそく標高5000mのセンゲ・ラという峠を超えなければならないのですが、完全な食あたり状態で体が弱りきっているので全く超えれる気がしません。

 

もう歩きたくないなぁ……。やっぱりフォトクサルの村にもう1泊すればよかったなぁ……。
(´д`lll)

 

出発してから30分で歩きたくなくなりました。

 

 

しばらく歩くと、ロバにまたがった老夫が何処からともなく現れました。

山道をロバでの移動は非常に羨ましいかぎりです。山ではロバが高級ベンツに見えます。

 

「この先にわたしの家があるから、そこでお茶でも飲んでいきなさい」

そう言われて、ロバに乗った老夫に着いていった先には、石を積み上げられて作られた家がありました。 

 

 
石の家。老夫はここで息子と寝泊まりしているようです。
震度2以上の地震が起きたら死ぬなこれと思いました。

 

 
お茶をいただきました。
お茶を飲んでる間に「震度2以上の地震が起きたらどうしよう…」と心配になりお茶の味がわかりませんでした。

 

 

お茶休憩を終えて再び歩きはじめます。

 

しかし昼前だというのに、自分は既に疲労困憊でした。

やはり食あたり状態で標高4000mを超える山道を歩き続けるのは相当身体に堪えます。

 

クソッ…!俺に解毒魔法キアリーさえ使えたらこんな山道スイスイ歩けたのに……!
ゼェゼェ(-Д-|||)

 

 

 

「大悟、もう少しペースをあげないと夜までにスキュンパタにたどり着けないぞ」

 

 

「分かっているんだけど、体が重くて……」

 

 

「とにかく峠を超えればあとは楽だ。急ごう」

 

 

「ふえーい……」

 

 

そんな会話の数分後、突如、猛烈な便意が襲ってきました。

 

う…!産まれる……!
(´д`lll)

 

 近くに小川があったので、そこで用を済ますことにしました。

 

 

「大悟、またウンコか…」

 

 

「出るもんはしょうがない……」

 

 

先ほどまで私の体内にいた黄土色のヨーグルトに別れを告げている最中、小川にメダカのような小魚いるのに気づきました。

標高4000mを超えているのですが、小魚が生息していたのです。

そしてその無数の小魚が、私の体内から排出した黄土色のヨーグルトの周りに集まってきているではありませんか。

見ると、小魚たちがウンコをパクパク食べています。

 

「これが…食物連鎖……」

私は力なく呟きました。

 

小魚たちに恵みのウンコをプレゼントした後、再び歩き始めましたが、身体がなかなか言うことを聞きません。

片足を1歩前に踏み出すことがかなり辛く、通常の歩く速さの半分すら出せませんでした。



 

「うーん。まずいぞ大悟。これじゃスキュンパタの村に着く前に日が暮れてしまう」

 

 

「それはマズイな…」

 

 

現在地はセンゲ・ラの手前、標高4500m付近。

当初予定していた時間よりも4時間も遅れています。

野宿をしようにも、点在してある村々の民家にホームステイ、もしくはロッジ泊の前提で行動しているので、2人共キャンプ道具は何一つ持ってきていません。

高所では日が沈むと一気に気温が下がります。死にはしなくとも凍傷を負ってしまうかもしれません。

 ※ 大抵どこの村でもホームステイを受け入れています。ただ宿泊させてもらった場合はきちんとお礼は支払いましょう 。

 

 

「トゥクストップ、先に村に行ってもいいよ。俺はゆっくり村を目指すからさ」

 

 

「そんなことできるか。夜に1人で山を歩くのは危険すぎる」

 

 


まだまだ果てしなく続く道…。
(´д`)

 

 

「うーむ…こうなったら……」

 

 

「なにか良い考えでもあるの?」

 

 

車に乗せていってもらうしかない!!」

 

 

「は?」

 

 

「スキュンパタの村の近くまで、車道があるのは知ってるだろ?」

 

 

「ラダックからザンスカールまでを直接繋ぐ道を作っているのは知っているけど」

 

 

中国、パキスタン両国に面しているラダック地方は、インド政府にとっても重要な軍事拠点でもあります。そのため下界からの物資の流通をより良くするため、ラダック、ザンスカールの至る所で急ピッチで国道を建設中なのです。

 

 

「ここらへんはスキュンパタに行く車しか通らないし、それに乗せてもらう」

 

 

「いや……。そうなったら願ったり叶ったりだけど、車通るの?」

 

 

分からん!

 

 

「………………………」

 

 

「山の神に祈ろう」

 

 


「そうと決まればここでしばらく休憩だ!」と座り込むトゥクストップ。

 

 

自分自身も体力が限界に達しているため、とにかく今は全く動かないことにしました。少しでも体力の回復を図ります。

 

 

「トゥクストップ、車来なかったらどうする?」

 

 

「そのときはやっぱり歩くしかない

 

 

「やっぱ歩くのかよ」

 

 

うーむ…。こんなドラクエの荒野みたいなところで息絶えたら野鳥についばまれて何も残らないだろうなぁ…。やっぱり俺は大好きな人に膝枕をされ、頭を撫で撫でされながら息絶えたいなぁ…。
(´д`)

 

そんなことを考えていると、またお腹の調子が悪くなってきました。

 

 

「トゥクストップ、俺ちょっとウンコに…」

 

 

「大悟見ろッ!車だッ!!」

 

 

「!?…………………全然見えん!」

 

 

「ほらッ!遠くからこっちに来てるぞ!車が!」

 

 

険しい山々の大自然の中で育った、ザンスカーリのトゥクストップは、視力がむちゃくちゃ良いのです。常人にはとても見えない遠くのものも識別することができます。

 

 

「Yes!Yes!Yes!Yeeeeees!あと10分くらいで来るぞ!車道に向かって走れ!」

 

 

 

急いでバックパックを背負って走り出します。

 

あぁ山の神様……!マジでありがとう…!
(╥ω╥`)

 

トゥクストップが車を停めて、スキュンパタの近くまで乗せてくれるか尋ねます。

「いいよ!乗りな!」と乗車していた男たちは快諾。

 

まさに今の自分にとって、やってきた車は不死鳥ラーミアのような存在でした。

 

お礼を言いながら車内のシートに腰をおろすと、パンツのお尻部分が濡れているのに気がつきました。どうやら走ってる最中、盛大にウンコを漏らしたみたいです。

「食あたりの状態でトレッキングするなんて馬鹿なことは今後絶対しない」
と、自分は一雫の涙をこぼしながら濡れたパンツに誓いました。

 

これまでの流れを映像で。

 

 

 

翌朝。トゥクストップに叩き起こされ目が覚めました。

十分睡眠をとったので体調はかなり良くなっていました。昨日に比べて体が軽いです。

 


1泊させていただいた谷間にあるスキュンパタの村

 

 

次の村、リンシェに向けて荷物を背負い、歩き出します。

スキュンパタの村からはそんなに離れていません。正午過ぎまでにはたどり着ける距離です。

 


道中、馬を連れた僧侶に出会いました。

 


あの山を超えた先に次の村があります。

 


途中、記念撮影。

 


足元に生えている草が紅葉して赤く染まっていました。標高4000mを越える場所にも短い秋の訪れを感じさせます。

 


馬の隊列に合流しました。遠くの村から村へ。山道では荷物の運搬で馬は大活躍です。

 


しっかりカメラ目線!(馬が)

 


あっという間に遠くまで行ってしまいました。 

 


しばらく歩くと、リンシェの村が見えてきました。

 

 

これまでの流れを映像で。

 

 


そして何事もなくリンシェの村に到着。

 


綺麗な村です。なんかドラクエ6のザクソンの村っぽい。伝説の防具職人が住んでるんじゃないかと思ってしまいます。

 

 


村のロバたん達も温かく迎えてくれました。

 

数日間、この村に滞在することにしました。その間に、出来れば伝説の防具を手に入れたいです。

 

つづく。

 

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