ドラクエに出てくるような村を目指してヒマラヤの僻地に行ってみた Ⅲ

 

前回の続きです。

 

このリンシェの村に数日間滞在することにしました。ついでに伝説の防具探しもしようと思います。

 

 

とりあえず村を散歩してみました。

麦や豆などの作物の収穫は、数日前にほぼ終えたそうです。収穫前には黄金色の麦が畑一面、風にそよいで、大層美しい景観とのこと。

 

テクテク村の中を散歩していると、草刈りをしているおばあさんに声をかけられました。 

 

 

「そこのお兄さんや」

 

 

「はい、なんでしょうか?」

 

 

「草刈りしてくれ」

 

 

「……まぁいいけど」

 

 

なぜかいきなり草刈りを手伝わされました。

村に来たばかりの旅人に労働させおって……。あとでたっぷりお駄賃請求してやるからな!

 

草刈りをしていると、あっという間に日が暮れたので宿に戻りました。

 

ホームステイ先の主人と奥さん。数日間お世話になりました。

 

 

 

リンシェの村は70件ほどの民家が点在しています。そのうち、ほとんどの住民が老人と年端のいかない子供です。ラダック、ザンスカール地域について詳しい人と話したことがあるのですが、この地域も日本と同じように過疎化が進んでいるとのことです。

確かに、どの村も働き盛りの若者はあまり見かけませんでした。大多数の若者が村に残るより、街に出ることを選びます。街のほうが仕事も娯楽も溢れているためです。

人口が増え続けているインドでさえ、日本と同じように過疎化の道を辿っているのです。

 

やはりどの国も若者が考えることは同じなんだなぁ…と、しみじみ思いました。

 

 

まぁ気持ちは分かります。吉幾三の名曲のように、村の若者は「夢」「希望」を求めて都会へ出ていきたいのでしょう。

 

せっかくなので替え歌を作りました。暇な人は曲に合わせて口ずさんでください。


『俺ら山を下るだ』

ハァ
テレビも無ェ ラジオも無ェ 自動車全く走って無ェ
ピアノも無ェ バーも無ェ 僧侶が毎日ぐーるぐる
朝起ぎて 馬連れで 隣の村まで4時間半
電気も無ェ ガスも無ェ 山羊がメェメェ鳴いている
俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 山を下るだ
山を下ったら 銭コァ貯めで 下界でヤク(高所に生息するウシ科の哺乳類)飼うだ カァ

アァそれ アァよいしょ

ハァ
昼間から カゴ背負い 燃料代わりの糞拾い
喫茶も無エ 集いも無エ まったぐ若者ア俺一人
婆さんと爺さんと 数珠(ジュズ)を握って経文読む
食堂無エ 映画も無エ たまに来るのはトレッカー

俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 山を下るだ

山を下ったら 銭コァ貯めで 下界で馬車引くだ カァ

アァそれ そうしましょ そうしましょ
そうしましょったら そうしましょ カァ
ハァ

ハァ
トイレットペーパーを 生まれてこのかた見だごとア無エ
便所には 行くけれど 水洗便所てなんなのさ?
新聞無エ 雑誌も無エ たまに来るのはダライ・ラマ
僧院は あるけれど 俺らの村には 娯楽が無エ

俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ
山を下ったら 銭コァ貯めで デリー(インドの首都)で山買うだ

俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 山を下るだ
山を下ったら 銭コァ貯めで 下界でヤク(高所に生息するウシ科の哺乳類)飼うだ カァ

 

 


クリケットをして遊んでいた少年僧侶

 

 

リンシェにはゴンパがあります。トゥクストップと一緒に見学に行きました。

 


リンシェゴンパ

 


ゴンパの中庭に当たる部分

 


お堂内部

 


壁画

 


大きな弥勒菩薩像

 


台所。ここで僧侶たちは食事を作ります。

 

※ゴンパ内を撮影する場合はきちんと撮影の意向を伝え、管理人の僧侶の方に許可を得ましょう。無断撮影など以ての外。基本的にゴンパ内部は撮影禁止の部屋が多いので、許可された場所でのみの撮影となります。

 

 

 

 

「チベット仏教は出家した時点で恋愛禁止だよね」

 

 

「そりゃもちろん。そんなことしたら天罰が下る」

 

 

「はー。あ、そういえば日本のほとんどのアイドルも恋愛禁止だぞ」

 

 

「そうなのか!?僧侶みたいじゃないか!」

 

 

「だね。……でも恋愛禁止だけどセックスはしてるぞ」

 

 

恋愛禁止なのにセックスはしてるのか!?」

 

 

「そうだよ」

 

 

「僧侶みたいに恋愛禁止なのにセックスはしていいのか!?」

 

 

「いいんじゃない?よく知らんけど」

 

 

「訳がわからないな…」

 

 

「だよなー。あ…。そういえばさ、僧侶はゲームの人間相手だったら恋愛はしていいのかな?」

 

 

「は?何言ってんだ?」

 

 

「日本にはゲームのキャラクター相手と疑似恋愛をするゲームがあるんだ。ほらこんなの」

 


KONAMI NEWラブプラス+

 

 

「ゲームの女に恋するのか!?お前頭大丈夫か!?

 

 

「いやゲーム!あくまでゲームだから!生身の人間と同じような恋愛感情にはならないから!」(そんな人もいるかもしれないが)

 

 

「それでも理解しかねる。僧侶はそんなたわけたものはしない。ゲームでもやってはいけない」

 

 

「そうかー。ちなみに俺の彼女は左の姉ヶ崎寧々先輩ね」

 

 

「俺には3人とも同じ顔に見えるんだが」

 

 

「トゥクストップもやれば分かる。必ずハマる」

 

 

「ゲームより現実の女のほうが絶対いいだろ。だって触れないんだろ」

 

 

「まぁそりゃそうだけどさ。現実の女からは見向きもされない哀れな男だしな俺」

 

 

「大悟はいい男だと思うけどな」

 

 

「だよな。こんないい男に彼女ができないのは世界7不思議の1つと言っても過言ではない

 

 

「多分、前世で悪い女遊びでもしたんだろう」

 

 

「そうなのかなぁ…」

 

 

「どうせならラダックかザンスカールで出家すれば?」

 

 

「えー」

 

 

「大悟なら絶対いいチベット僧侶になれるし、出家すれば来世は幸せな人生を歩めるぞ」

 

 

「出家したらラブプラスできなくなるから嫌だ

 

 


ゴンパのテラスで記念撮影

 

 

「恋愛といえば……トゥクストップと奥さんとの馴れ初めはどんな感じだったん?」

 

 

「奥さんがレーの町を歩いてたところをナンパした」

 

 

ナンパぁっ!?
(((°ω°)))!!!

 

 

チベット仏教徒の人もナンパするのだなぁ……。
(・ω・ ) 

 

時代の移り変わりを感じました。

 


僧侶「ナンパとは……けしからん……!」

 

 


ちなみに、リンシェの村には尼さんゴンパもあります。

 


出家し、僧侶になった尼さん。

 

 

これまでの流れを映像で。

 

 

 

村には病院があります。

 

 

「病院があるじゃん」

 

 

「そりゃ病気になった時は病院が無いと困るからな」

 

 

「お医者さんはいるの?」

 

 

「いるよ。ってか、その子に大悟も会ってるじゃん」

 

 

「医者になんて会ったっけ?」

 

 


「私が医者です」

 

 

「あれ、デチュンじゃん!」

 

ホームステイさせてもらっている家の主人の姪っこ、デチュンという娘が医者でした。レーの町で6年間医学を学んだ後、この村に戻ってきたそうです。病院といっても、設備は全く整っていないので薬の処方のみ扱っているとのこと。

 

 

「村で唯一のお医者さんじゃん。Dr.コトー診療所みたいだなぁ」

 

 

「大悟もまた食中毒になったらデチュンに言えばいい。すぐに薬を処方してもらえるぞ」

 

 

「薬じゃどうにもならないような大怪我した時はどうするの?」

 

 

「お金を積めばヘリでレーの町へ救急搬送できるぞ。緊急電話使える場所あるし」

 

 


村にある電話小屋。旅行者も非常事態が起きたときに開けてもらえます。

 

 

「そういえばヘリポートがあったな…」

 

 

「まぁどっちにしろ運ぶのに時間かかるし、大怪我の時は運命と捉えて、大抵諦めるけどな」

 

 

「諦めるのかよ」 

 

 

 

病院でお茶を頂いた後、ヘリポートに向かいました。

 

リンシェの村にあるヘリポート。ダライ・ラマがヘリコプターで訪問する際に使われるそうです。普段は子供たちの遊び場になっています。

 

せっかくなのでヘリポートの上に立ってみました。

 


いやー。俺も金持ちだったらヘリコプターで村々を回りたいなー。しんどいもんなー。トレッキング。

 


今からここにヘリがやってきて、ザンスカールまで連れて行ってくれないかなー。強く念じたらヘリコプター来てくれないかなー。

 


ヘリよ…来いッ……!!

 

 

 

 

UFOにさらわれました。

宇宙人に人体実験されましたが、それでもまだザンスカールを目指します。

伝説の防具は見つかりませんでした。

 

つづく。

 

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